管理職が部下を“お客さま”扱い…全国120所中「下から11番目」だった製薬会社の営業所が「1位」まで急成長。上司の驚きの指導方法
効果的に活用することで、業績、チームビルディング、人材育成において大きな成果を出すことにつながる1on1ミーティング。1on1において、上司と部下はどのような話をすればよいのでしょうか。小川隆弘、氏による著書『成果が出る1on1 部下が自律する5つのルール』(ごきげんビジネス出版 ブランディング)から一部を抜粋・再編集してみていきます。 【早見表】年収別「会社員の手取り額」
1on1で高業績につなげた事例
製薬会社の営業所の事例 私は製薬会社の営業所長として在籍し、1on1を特化したことにより、業績、チームビルディング、人材育成において成果につなげられました。そして再現性も確認できました。ビジネス活動ですので、個別性が高く、同じことをすれば同じように結果が出るとは限りませんが、少なくとも参考にできることやヒントはあるかと思います。その具体的な成果とは次のとおりです。 1.下から11番目のA営業所が3年4か月で約120営業所中1位に→高い業績の成果 2.その後2年間トップを独走→チームビルディングの成果 3.さらにその後5年以上にわたり、全国トップクラスの高い業績を出し続ける→人材育成の成果 4.異動後も下から5番目のB営業所をコンペで日本一に3度導く→再現性
1on1でなにを話すか?
では、どのようなことを話題にしたかを振り返ります。推定値ですが、その内容は次にあるグラフのとおりです。 主な話題は「部下の経験学習」で、全体の約58%の時間を費やしていました。1on1の目的からいっても妥当ではないかと思います。これらの振り返りより、成果と部下育成につながったポイントは次の5つに集約されます。 1.部下に語ってもらう、次のアクションも 2.傾聴する 3.部下の定性評価を見える化する(経験学習促進の準備) 4.真摯に部下のキャリアを支援する 5.1on1の場とふだんの職場、上司は態度や接し方を変えてはいけない(一貫性) 「部下に語ってもらう、次のアクションも」と「傾聴する」については、卵と鶏の関係です。どちらが先でどちらが後、というわけではありません。2つは相互に補完しあい、同時に進行させていくものです。