「AIはまだ、本当の意味での創作はできていないと思う」…漫画家「大暮維人」が今の思いを語る「AIにできなくて、漫画家にできること」
100年後も読まれる作品に
――最後に新連載『灰仭巫覡』に込めた思いを聞かせてください。 大暮 今の精神状態はとてもニュートラルで、漫画家人生の中で初めてですね、こんなのは。気合いはありますが気負いはないですし、準備もしっかりしてきました。自分にできること、考えてきたことをただ出してみよう、というシンプルな気持ちです。 人間はいつの時代も、自分が激動の時代を生きていると感じるらしいですが、今の時代ばっかりは掛け値なしで大きな曲がり角にきているんじゃないかな。僕も、みんなも、しばらくずっと忘れていたことがあるんじゃないか、そんな気がしています。今作は、そんな忘れかけていた大切な何かを少しずつみんなと一緒に思い出していきたい、そんな漫画です。多分。 漫画界もまた大きな変革の時代に入っていますが、だからこそ、こんな時にこそかける漫画があるとも思っています。多くの漫画が100年後まで読み継がれていけるように、漫画文化が姿を変えても人々に読み継がれていけるように。僕も微力ながらその一助になれればなという大それた気持ちで未来を夢見つつ今を頑張ってみます。
週刊少年マガジン編集部