子どもにスマホは必要? 90%以上の親が悩む 「小学生の壁」を乗り越えるために知っておくべきこと
子どもの権利を知っておこう
2023年4月から、こども家庭庁がスタート。こども基本法も施行されています。 こども基本法は、国連で定められている「子どもの権利条約」の4つの権利と4つの原則をベースにしている、子どものための、子育てのための指針となる法律です。 なぜ急に「子どもの権利の話を持ち出すの?」と思った方も多いかもしれません。小学生の壁も含めて、今までもいろいろな子育ての困難に遭遇してきたと思いますし、これからも思春期や青年期に向けていろいろなことが起こるでしょう。 そういったときに、子どもの権利を知っておくことは困難を乗り越えるために必要な基本の考え方となります。 困りごと、壁にぶち当たったときに、まず押さえておきたいのが、「子どもと対話しながら解決していく」ということ。子どもにも説明し、子どもの気持ちを聞きながら、「どうするのが一番いい方法なんだろう?」と親子で話し合うきっかけにしていきましょう。
「子どもの権利条約」4 つの権利
生きる権利/住む場所や食べ物があり、医療を受けられるなどして、命が守られること 育つ権利/勉強したり遊んだりして、もって生まれた能力を十分に伸ばしながら成長できること 守られる権利/紛争に巻きこまれず、難民になったら保護され、暴力や搾取、有害な労働などから守られること 参加する権利/自由に意見を表したり、団体を作ったりできること
「子どもの権利条約」4 つの原則
生命、生存及び発達に対する権利(命を守られ成長できること)/すべての子どもの命が守られ、もって生まれた能力を十分に伸ばして成長できるよう、医療、教育、生活への支援などを受けることが保障されます。 子どもの最善の利益(子どもにとって最もよいこと)/子どもに関することが決められ、行われるときは、「その子どもにとって最もよいことは何か」を第一に考えます。 子どもの意見の尊重(意見を尊重し表明できること)/子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、おとなはその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮します。 差別の禁止(差別のないこと)/すべての子どもは、子ども自身や親の人種や国籍、性、意見、障がい、経済状況などどんな理由でも差別されず、条約の定めるすべての権利が保障されます。 (公益財団法人 日本ユニセフ協会ホームページより) 出典:高祖常子著『どう乗り越える?小学生の壁』(風鳴舎)
【Profile】高祖 常子
キャリアコンサルタント 、子育てアドバイザー。NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリング・ジャパン「マザーリングプロジェクト」担当理事ほか。資格は保育士、幼稚園教諭2種、心理学検定1級、キャリアコンサルタントほか。国や行政の委員を歴任。編集、執筆、全国で講演を行っている。テレビ出演や新聞等へのコメント多数。3児の母。
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