【ワールドシリーズ展望】五十嵐亮太が分析する大谷翔平&山本由伸とドジャースの強さ 「絶体絶命のピンチをプラスに変えられる組織力」
五十嵐亮太が語るMLBワールドシリーズ展望(前編) 大谷翔平、山本由伸を擁するロサンゼルス・ドジャースは、ディビジョンシリーズでサンディエゴ・パドレスを下し、リーグチャンピオンシップではニューヨーク・メッツに勝利し、ワールドシリーズ進出を決めた。これまでのポストシーズンを振り返り、ドジャースがワールドシリーズに進めた理由はどこにあったのか。また、大谷、山本の状態はどうなのか。解説者の五十嵐亮太氏に聞いた。 【写真】大谷翔平の全試合を現地観戦する「ミニタニ」フォトギャラリー 【ドジャースの組織力】 ── ポストシーズンに入ってからのドジャースの戦いを見て、どんな印象を受けましたか。 五十嵐 ポストシーズンに関しては、ピッチャー陣、とくにブルペンの頑張りが大きかったですね。あと先発では、山本由伸投手がしっかり戻ってきた。パドレスとのディビジョンシリーズ初戦で先発しましたが、3回5失点と打ち込まれました。でも次の5戦目、ダルビッシュ有投手と投げ合い5回無失点の好投でチームに勝利を呼び込みました。山本投手がしっかり試合をつくれると、チームとして戦う形が見えてくる。そこは大きかったなと思いますね。 ── 山本投手ですが、初戦のあとどこがよくなったと思いますか。 五十嵐 パドレスとの初戦のあと、デーブ・ロバーツ監督から「クセがバレている」というような発言がありましたが、そこをしっかり修正できたというのは彼の能力の高さだと思います。悪い時の山本というのは、ボールがシュート回転してしまって、甘いコースに入るケースが多くなるから捉えられる確率が高くなる。これまで何試合か見ていますが、ひとつでもバランスを崩すと、全体的によくない。 逆にうまくハマった時は、すばらしいピッチングをする。ディビションシリーズの第5戦、リーグチャンピオンシップの第4戦は、ストレートの回転がきれいで、ボールに強さもありました。抜けるボールも少なかったですし、山本投手本来のピッチングができていたと思います。