職場に相談場所がない! 忙しい管理職にも「心理的安全性」を リーダー自身の不安も受け止めて
Bさんのほうが、つい自分の本音や不安を打ち明けたくなるのが人情ではないでしょうか。 非の打ちどころのない完璧な上司だと、部下も身構えてしまいますが、時に人間くささや上司自身も困っているようなところを自己開示して見せることで、困ったときは、いつでも相談するようにと言葉で伝えるよりも、効果的に部下に本音を促すことが可能です。 何でもかんでも弱さを見せる必要はありませんが、時には、自然体で自分の本音を開示できる自分らしさ(オーセンティックさ)も大事にしましょう。
まずは週1のチェックインから試してみては
自己開示をしろと言っても、相談者さんのようにすでに不安を感じていらっしゃる方が急にするのは難しいかと思います。 その場合には、組織の中でそうした機会が仕組み化されていると、受け入れやすいかと思います。 たとえば、週に1度、会議の最初に「チェックイン」と呼ばれる時間を5~10分程度取ってみる。 いきなり本題に入るのではなく、「週末にどんな過ごし方をしたか」「最近読んでおもしろかった本」「最近の小さなハッピー」など、仕事以外の話を全員が簡単に共有します。 すると、その人のあり方をみんなで共有でき、心理的安全性をつくるいいスタートになるでしょう。 そうしたちょっとした一言から、その人の一面が見えますし、互いに心理的距離も縮まります。 上司も部下も、「こういうことも言っていいんだ」と思える環境づくりができるといいですね。 構成・編集:岩辺みどり 写真:鈴木愛子 デザイン:山口言悟(Gengo Design Studio)