少数与党か連立か…野党による“政権交代”の可能性も 与党過半数割れで自民党に起きる“3つの可能性”
7日に投開票が行われた衆議院選挙では、与党が過半数に届かないという結果に終わった。これから自民党に何が起こってくるのか、政治ジャーナリスト・田﨑史郎さんに聞いた。 【画像】自民党・石破氏と立憲民主党・野田氏の対決になる可能性がある首班指名の仕組み
石破首相はなぜ辞めない?自民党にとっての“3つの可能性”
青井実キャスター: 田崎さん、なぜ石破首相は辞めないのでしょうか? 政治ジャーナリスト 田﨑史郎さん: 石破さんは、まず自分がやる気だということです。自分が続けたいと思っていることで、もう一つは首相指名選挙を来週後半に控えてるので、自民党にとっては首相を変えることよりも権力を維持すること、政権を維持することが重要です。そのため、石破さんの足を引っ張っても何の得もないということで、とりあえずはみんな静かにしていると思います。 青井キャスター: 今後の国会運営はどうなるのでしょうか。今回の選挙結果は「私たちの生活に関する法案」にも関わってくる大事なことです。 宮司愛海キャスター: 衆議院は、小選挙区と比例代表で合わせて465議席あります。選挙の結果、与党の議席数は215議席(自民・公明)と、国会運営や政権を担う際の議席数の目安「過半数233」には、18議席足りませんでした。野党・他が250議席となっています。 もし、政治資金問題で非公認となった当選者を自民党が追加公認してたとしても過半数には届きません。このままでは、政権与党の提出した法案が通りづらくなる事態になるかもしれないんです。 今後、自民党に何が起こるのかというと、3つのパターンが考えられます。 1つ目が「少数与党で混迷のまま生きていく」、そして2つ目が「維新や国民などと連立を組んで過半数を取りに行く」、そして3つ目が「野党に政権を取って代わられる」政権交代というパターンです。 青井キャスター: 石破首相は会見で「新たな連立は考えない」と話していましたが、少数与党のまま生きていくことは出来るんですか? 政治ジャーナリスト 田﨑史郎さん: 1996年に橋本龍太郎さんが解散総選挙を行った時、自民党は過半数よりも12少なかったんです。今回は過半数より18少ないです。12少なかった時は、半年ぐらいで12増やしたんですよ。それは、石破茂さんは一旦自民党を離党したんですが、このとき復党したり、高市さんが自民党に入党したりして、他勢力からいろいろ引っ張ってきました。そういうことをやっていけば、10くらいは戻すことが出来るんですけども、18ってのはちょっときついかなと思います。 青井キャスター: 2つ目と3つ目という可能性はあるのか見ていきましょう。 宮司キャスター: 2つ目は「維新・国民民主などと連立で過半数」を取る道で、野党と協力して政権運営を行っていくということです。例えば、38議席の「日本維新の会」と協力したり、28議席の「国民民主党」と協力するなどすれば数字のうえでは、過半数ラインに達します。 青井キャスター: 「政党別の獲得議席数のグラフ」を見ていきます。野党のどこと手を組んでいくのでしょうか。日本維新の会も国民民主党も連立入りは否定していますが、やっぱりキーマンは「国民民主党」なんですか? 政治ジャーナリスト 田﨑史郎さん: 政策的に比較的近いのが、国民民主党や日本維新の会ですね。しかしながら、両党とも自民党の政治とカネを激しく批判して今回議席を大きく伸ばしたので、手を組む可能性は低いです。そうなると、今度は逆に立憲の方に乗るかということになると、日本維新の会と国民民主党を足して214議席になるはずです。 自民と公明党を足して215議席で、1議席足りないだけなんですけれども、そこへれいわ新選組が入れば、野田佳彦さんが首相指名されて立憲民主党政権ができます。しかし、日本維新の会や国民民主党は自民党には乗らないけれども、立憲民主党にも協力しないとなると、それぞれ独自の道を歩んでいくことも考えられます。 総選挙を前にして、立憲民主党と日本維新の会と国民民主党の間では選挙協力が全く進まなかったわけです。あの時にやっておけば、こういう時は信頼感が出来ているんですけども、基本的な政策の一致がないという理由で出来なかったんですね。もう1つは2025年に参院選挙があります。参院選挙はそれぞれの政党で戦うので、協力したらかえって損になります。