笑顔広がる子供の居場所「しゅくだいカフェ」 地域住民、ボランティア運営
揚げパンを配るなど、子ども食堂の活動も少しずつ始めている。大阪いずみ市民生活協同組合(堺市)や地域住民からの寄付を基に、今年の夏休み期間は計3回、手作りのカレーやパスタを用意する計画。賛同者から畑の提供を受けて野菜作りにも挑戦している。
メンバーの一人、札辻(ふだつじ)学さん(48)は「来たくても家から遠くて来られないとの声も聞く。会場や費用の確保などの課題もあるが、この活動が柏原全体に広まってほしい」と話している。
■支援続々 全国に
勉強に取り組み、おやつももらえる。こうした宿題カフェ(しゅくだいカフェ)は家庭、学校に続く子供の第三の居場所として全国に広がりつつある。
大阪府内では、NPO法人トイボックス(大阪市浪速区)加盟のカフェが、門真市を中心に約20カ所ある。市民センターなどで平均週1回、午後3~5時に活動。直営のカフェは賞味期限間近の食品を寄付する地元企業の支援もあり、平成28年の開始から計3600回以上開催し、参加者はのべ5万3千人以上にのぼるという。
同時期に活動を始めた「宿題カフェ運営サポート協会」(大阪市東淀川区)に加盟するカフェは大阪、兵庫、静岡、福島の4府県に計7カ所。地域の有志らが運営し、平日の放課後に毎日開放している。協会には運営を希望する人などから月数件の問い合わせがあり、立ち上げや運営のノウハウを伝えている。
事業は、多くの団体が子供の利用は無料にしており、保護者の経済的負担がなく、「(子供の宿題が終わっており)家族との時間が持てる」「学習習慣が身に付く」などと好評だ。ただ、協会の担当者は「賃貸物件の場合は固定費がネックとなり閉鎖したケースもあり、ボランティアの確保も課題」と説明。活動団体は、条件次第では自治体の助成金なども活用できるという。(北村博子、写真も)