EVバッテリーの大量廃棄に備え急務、中国のリサイクル市場はどう動くのか ー現地専門家が指摘
EUバッテリー新規則の影響
EUはEVのバッテリーリサイクルに関して、廃棄後に必ず製造国に送り返して処理することを求めるとの新たな規則を打ち出した。中国は固体廃棄物の輸入を厳しく制限しており、非金属のバッテリーは中国への持ち込みが許されていないため、廃棄バッテリーを中国に送り返して処理するというのはあまり現実的ではなく、中国企業は国外でリサイクル問題を解決する必要がある。 趙会長は、中国企業が自動車を輸出する際、現地での回収システム構築を含めライフサイクル全体での管理を検討しなくてはならないとし、この新規則によって中国のバッテリー産業はいっそうグローバル化が進み、サーキュラーエコノミーの発展を推進する結果になるだろうと語った。 孫副社長は、リチウム資源が乏しい中国にとって、EUのバッテリー規則は資源保護や貴金属材料の適切なリサイクルにプラスに働くとの考えを示す。そのために中国企業は海外での工場建設や技術協力、現地企業との提携などを進める必要があるという。
最後に
バッテリーリサイクル産業の台頭は新たな巨大市場の誕生を示唆している。技術が絶え間なく進歩し、市場が徐々に整備されれば、バッテリーリサイクルは環境にやさしいだけでなく、産業全体の経済効果を高めるものとなる。消費者には、新エネルギー車の使用コストが下がるというメリットをもたらし、企業にとっては果たすべき社会的責任であると同時に、新たなビジネスチャンスにもなり得る。 (翻訳・36Kr Japan編集部)