親子で衝突しがちな「志望校選び」 高校生の進路を決める時に知っておきたいこと
大学受験における志望校選びは、人生における重要な岐路の一つです。 しかし、選択肢の多さや情報不足から、何を重視して決めればいいのか悩む受験生も多いのではないでしょうか。個別指導学習塾「明光義塾」では、高校生の保護者800名を対象に「高校生の志望校選びに関する実態調査」を実施しました。調査結果では、子どもと保護者で志望校選びに重視するポイントに違いがあることが明らかになりました。 【図表】保護者が有益なアドバイスができないと思う理由、最多の回答は?
1. 志望校選びで重視するポイント
子ども: 設置学部(33.2%)、偏差値(29.6%)、卒業後の進路(20.5%) 保護者: 学費(30.3%)、卒業後の進路(27.3%)、利便性(20.1%) 以上から、子どもと保護者では、志望校選びで重視する内容に違いがあることがわかりました。
2. 子どもからの進路相談、保護者の2割が「有益なアドバイスできない」
有益なアドバイスができないと理由として、「入試制度などの進学に関する情報を知らないため」が最多となりました。
3. 有益なアドバイスができないと思う理由
最多回答は「入試制度などの進学に関する情報を知らないため」、次に「子どもに向いている専攻や職業がわからないため」となりました。 ・調査概要 有効回答数 高校生の子どもを持つ全国の保護者800名 調査期間 2024年4月8日~2024年4月22日 調査方法 インターネットリサーチ調べ
志望校選びでやっておきたいこと
・将来なりたい職業から大学・学部を選ぶ 大学を選ぶ際には、将来就きたい職業をまず考えましょう。将来を考えると、学ぶべき分野や就職に有利な大学・学部が見えてくるかもしれません。大学のHPには、進路実績も掲載されています。是非ご確認ください。 大学に入ってからゆっくり就職について考えればよい、と言われることもありますが、各大学、学部、学科で、「就職しやすい分野」は異なります。本来進みやすい方向と別の進路へ進むことは可能ですが、かなりのエネルギーが必要です。 また、大学時代は好きな勉強をして、仕事は別のことを、という声をうかがうこともありますが、大学の4年間よりも、仕事に関わる40年間は、圧倒的に長い期間。学部選びで間違えると、つきたい仕事につけなくなる可能性も。職業のイメージがわかない...という人も、高校生のうちに色々考えてみましょう。 ・高1・2生のうちに「本当に行きたい大学」を選ぶ 大学入試が近づくにつれて、自分の学力を考えて「行ける大学」「行ってもよい大学」だけを考えるようになりがちです。 高1・2生は大学入試まで時間があります。学力を伸ばすことは十分できますので、偏差値を考慮しすぎずに、「その大学に入ったら一番充実する、嬉しい」と自分が思える大学を考えてみましょう。目標ができると、勉強のモチベーションもアップするはずです。 ・オープンキャンパスや説明会に参加する 実際に大学へ足を運ぶと、大学の雰囲気や授業の様子がわかります。入学してから、イメージと違う...、やりたい勉強ではない...とならないように調べておくことが重要です。 最近では、オンラインでの説明会や動画サイトでの大学紹介を公開している大学も多くあります。家から遠い、スケジュールが合わない、などで直接大学に行けない場合は、まずはオンラインの動画などを活用して大学について調べましょう。 ただし、オープンキャンパスや説明会では、良い部分や面白い部分を中心に説明がされています。進路実績や授業内容なども確認した上で大学を選ぶことが重要です。 ・希望学部のキャンパスを調べる 大学のキャンパスは、所属学部や学年によって異なる場合もあります。希望する学部がどこのキャンパスか、1・2年と3・4年でキャンパスが変わらないか、などを事前に調べ、通学に問題がないか確認しましょう。 今後のキャンパス移転が計画されている大学もあります。オープンキャンパスなどで、キャンパスの場所についての話は注意深く聞いておきましょう。 ・受験科目や、英検(R)など利用できる資格を調べる 文系でも理系でも、大学によって受験科目は様々です。同じ学科を希望していても、A大学とB大学では受験科目が異なる、という場合も。 興味のある大学、学部、学科の受験科目は何なのか、早めに確認し、受験校の受験科目を統一できると、「効率のよい受験勉強」を進められるようになります。 また、大学入試では、英検(R)などの英語資格・検定試験の活用が年々拡がっており、推薦系選抜で半数以上、一般選抜でも1/3以上の大学で活用されています。 気になる大学の入試を確認し、英語資格・検定試験を活用できるかどうか、活用できるとしたら、例えば英検(R)ならば何級以上が必要か、などを調べましょう。遅くとも高2冬までに必要な資格を取ると、余裕をもって受験勉強に取り組めます。 執筆:明光義塾本部教務部・EDUPLEX東京三田本校 大学入試アドバイザー 武藤麻紀子 ※参考情報 ・明光義塾教育情報サイト「明光プラス」 https://www.meikogijuku.jp/meiko-plus/
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