【ジャパンC/記者の特注馬】スミヨンが断言「必要な性質全てを兼ね備えている」 〝最強の個性派巨人〟ゴリアットが歴史をつくる
[GⅠジャパンカップ=2024年11月24日(日曜)3歳上、東京競馬場・芝2400メートル] 【トレセン発秘話】 オーギュストロダンを筆頭に過去最強クラスの布陣でジャパンカップへ攻勢をかけてきた欧州勢。キングジョージⅥ世&クイーンエリザベスSの覇者ゴリアット(セン4・グラファール)は、1987年ルグロリュー以来となるフランス調教馬の勝利を目指します。 そんな同馬を語る上で外せないのは、地面から離れると同時に左後肢を反射で上まで一気に上げる、いわゆる「鶏跛(けいは)」。同馬を所有する共同馬主のジョン・スチュワート氏が自身の「X」を通じて「皆さんはなぜゴリアットがその歩き方をするか、気になるでしょう? それは彼より遅いライバルを踏み潰すことに慣れているからです」という強気な発言で話題を集めていましたが…。 気になるのは騎乗者にとってのバランス面。競馬での走り、すなわち競走能力には影響はないとされていますが、さすがに鶏跛が表出する常歩(なみあし)などではバランスが難しいのでは? その疑問をダヴィ助手に尋ねると「確かに常歩の時にはジョッキーや調教師もその動きは感じますが…乗っている身としては全く問題のないレベルです。生まれつきの症状で検査でも問題はなかったですし、人間のチック症みたいな感じで、馬も痛みを感じていないんです」。 事実、スミヨン騎手も「魅力的な特徴だと思っていますし、たくさんの勝利を収めてきた馬としてはレアなことですが、騎手としては全く問題ないと考えています。パーフェクトな馬だと思っています」と一つの個性として割り切っている様子。パッと見は変わった歩き方でも、バランスが取れている上にレースではしっかり実力を発揮する…過去には2冠馬であるトウカイテイオーやドゥラメンテの例もあるだけに競走馬の身体メカニズムの不思議さを感じさせます。 過去、97年にはファインモーションの半兄にあたるアイルランド調教馬・ピルサドスキーがパドックから馬っ気全開で心配されながらも、“女帝”エアグルーヴを差し切ったように個性派台頭の歴史もあるジャパンカップ。過去に2度、このレースで1位入線を経験した鞍上・スミヨン騎手は「(勝つために)必要な性質全てを兼ね備えていると思います。我々はこのレースに勝つことを確信しています」と自信満々。“最強の個性派巨人”ゴリアットにはパドックでの歩きから注目です!
権藤 時大