試乗速報【インディアン新型スカウト】エンジンは1250ccに!「走り」と「快適」それぞれのトップ2機種をテスト
インディアン スーパー・スカウト「クラシカルなデザインをまといつつ、快適性・機能性は現代流」
スーパー・スカウトは、着脱式のウインドスクリーン、左右のサドルバッグを装備しシリーズ唯一、タンデムシートやステップボードを標準装備するモデルで、スポーク+黒リムのホイール、「レトロペイント」で歴史あるインディアンらしい一台だ。 なお、新型スカウトシリーズには装備内容により以下の3グレードがある。 アナログメーターやキーシリンダー式のメインキーを持つ「スタンダード」。 それに加え、USBポート、3つのライドモード(スポーツ、スタンダード、ツアー)、トラクションコントロール、クルーズコントロールを装備した「リミテッド」。 そして最上級となるTFTモニター、キーレスイグニッション、ライドコマンド+(スマホにインストールした専用アプリで音楽、電話通話、ナビなどTFTモニターを活用できる)を装備した「リミテッド+テック」。 このスーパー・スカウトは「リミテッド+テック」が標準装備となっている。 前後16インチホイールのモデルは、前輪に130/60B16、後輪に150/80B16と太く肉厚のタイヤが印象的。リアフェンダーとタイヤの間隔を見ると180まではラクラク入りそうなのに、150に留めあたりは、軽快なハンドリングを意識してとのこと。 キーレス仕様のため、エンジンのVバンク左側にあるイグニッションボタンを押し、あとはハンドルグリップ部にあるスターターボタンを回すだけ。エンジンはスムーズ、Vツインらしい音を発して始動した。無駄な振動もない。 発進時、アイドリング付近から微少開度でのトルク感が希薄で、電子制御スロットルと右手の動きがうまく噛み合わない印象で何度かエンストした。ライドモードを「スタンダード」から「スポーツ」にすることで緩和したが、サンフランシスコの市街地を走るうちに慣れてしまった。テスト車はECUが最終仕様でないモデルもあったようで、日本に届いたモデルが改善しているコトを望みたい。 ブレーキは2ピストンキャリパーとシングルディスクを組み合わせるフロント、リヤは片押しシングルピストンという構成。乗ってみると必要にして十分な制動力、ブレーキタッチを持っていた。 ただ、ワインディングを走ると105馬力を生み出すエンジン扱いやすい特性で、走りを好む車体のスカウトだけに、いいペースで走り込むとモアブレーキングパワーが欲しくなる。いずれにしても、プルバックしたハンドルバーかつクラシックなスタイルをまとったクルーザーにしてこの走りは秀逸。しかもエンジンはよどみなく気持ちいいトルクをともなってトップエンドへと駆け上がるのだ。 高速道路では大型スクリーンが十分なウインドプロテクション性を発揮し、ステップも足を置く位置に自由度があり快適。リヤサスペンションのストローク量は3インチ(約76mm)と多くはないが、ショック吸収性と乗り心地は良かった。 細かな点だが、サドルバックの開閉もワンタッチ。レトロさを醸しつつ、使いやすさにも配慮がなされたもの。 ミドルサイズクルーザーの扱いやすさを有しつつ、上級機種らしくリッチに楽しめるのがスーパー・スカウトの魅力と言えるだろう。 ■インディアン スーパー・スカウト主要諸元 [エンジン・性能] 種類:水冷4ストロークV型2気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:104mm×73.6mm 総排気量:1250cc 最高出力:79kW(105hp)/── 最大トルク:108Nm(11.0kgm)/6300rpm 変速機:6段リターン [寸法・重量] 全長2260 全幅:916 全高:1226 ホイールベース:1562 シート高:680(各mm) 車両重量:268kg タイヤサイズ:F130/90B16 R150/80B16 燃料タンク容量:13L *日本国内での販売価格は未定