「言ってくれればやったのに」は夫婦間で絶対NG!離婚カウンセラーが指摘する余計な一言が相手を追い詰める
「いまやろうと思ってた」は余計
「言ってくれればやったのに」に近いですが、「いまやろうと思ってた」も、カチンとくる言い方です。 こういう言い方をすると、「噓つくなよ」と思われてしまいます。本当はやるつもりだったとしても、このフレーズを使うと損をしてしまいます。 要するに、ただの言い訳にしか聞こえないのです。 そもそも、人間だれしもやる気が出ないことはありますし、うっかり忘れてしまうことは避けられません。 だから、忘れていたとしても、それは普通のことです。一言「ごめん」と言って謝れば済むこと。わざわざ弁解を試みて相手の心証を悪くする必要はないと思います。 世間にはなかなか謝罪しない人もいますが、非が明らかなのに「自分は正しい」と主張し続けることほど、他人を怒らせる態度はありません。 謝れない人は、自分はいつも完全無欠でないとダメだ、と思っているのかもしれません。 でも、人間はだれしも間違えます。間違いをしない人などはいません。 誤りを認めなければ、自分の名誉が保たれる、などということはありません。みんなはっきり言わないだけで、「この人は自分の誤りを認めない」と思われると、周囲からの評価がどんどん下がってしまい、相手にしてもらえなくなります。 そもそも夫婦関係において、誤りやトラブルがいっさいない、ということはありえません。長いつき合いの間、数々のトラブルに見舞われるのが普通です。 なのに「自分は誤りをおかしていない」とふんぞり返ってドヤ顔をしていては印象が良くありません。
自分の寛容な姿勢で相手も柔和に
「いつも正しい」という人は存在しません。そう主張する人は、きっと周囲から「謝らない傲慢な人だ」と眉をひそめられているのです。 むしろ細かいことでも謝罪したほうが、よほど好感度があがります。 一方、そもそも相手のミスをネチネチ追及しない姿勢も大事だと思います。 「いまやろうと思ってた」という、いかにもテキトーな言い訳を相手がするのは、謝罪すると自分に不利益があると考えてかたくなになっている可能性があります。 「ミスを認めるとケンカになる」という恐れがあるのかもしれません。 ささいなミスを追及せず、寛容に接する、という姿勢があなたにないから、相手は全力で言い訳してくるのかもしれません。 パートナーが何かミスをしていないか、重箱の隅をつつくようにチェックしていないでしょうか。 自分の言動が知らず知らずのうちにパートナーを追い詰めていることもあります。相手がどう受けとっているのか、相手の立場で一度よく考えてみることも必要でしょう。 また、「言い訳」臭くならないためには、相手にそう思われないように、こちらから先に「言い訳に聞こえるかもしれないけど」としっかり前置きしてから理由を丁寧に説明するといいでしょう。 「ちょっと今日は体調が悪くて、やる気になれなかった」というのも立派な理由でしょうし、素直に話すほうがトラブルが少ないものです。 また逆に相手は「理由を説明してくれないのが不満」と思っている場合もあります。 「説明するとトラブルになる」と思い、説明をやめてしまうよりも、丁寧に自己主張したほうがいい結果につながると思います。 岡野あつこ 夫婦問題研究家、パートナーシップアドバイザー。公認心理師。34年間で約4万件の相談を受ける。「結婚・再婚のアツコブライダル」、「離婚相談救急隊」を運営し、夫婦問題カウンセラー育成も行う。YouTube「岡野あつこチャンネル」は登録者6万人以上。「特定非営利活動法人 日本家族問題相談連盟」理事長。目白大学短期大学部非常勤講師。
岡野あつこ