鍼灸・整体のプロに聞く、健康のために今すぐできる5つのこと
3. 体を動かすならまずは20分のウォーキングから
──運動についても教えてください。体を動かすなら、何からはじめればいいでしょうか? 実は、人間にとって一番大事な身体活動は歩くこと。ですので、まずはウォーキングからはじめるのが良いでしょう。 と言っても、長時間歩く必要はありません。1日の合計で20分歩けたらいいのです。通勤で最寄り駅まで行きは10分、帰りは10分という人だけでも、20分になりますね。それでも全然OKです。 朝起きてウォーキングの時間を設けるといったやり方は挫折しやすいので、日常生活に組み込んでみましょう。買い物の往復は歩く、広いショッピングモールの中を歩くなど、いくらでもやりようはあります。 車出勤のデスクワーカーの方など、ほとんど歩かない人が「ちょっと運動しようかな」といきなり筋トレをするのは少し問題があります。人は、歩くことによって、自分の体を支える基礎的な筋力や体の連動性を築いています。ですので、それなしでいきなり筋トレをすると、腰や膝を痛めたりする原因となりかねません。 また、20分のウォーキングをする代わりに、何分かランニングするというのは、関節にかかる負担が大きすぎておすすめしません。 繰り返しになりますが、優先順位として1日20分は歩く。これを心に留め置いてください。
4. デスクワークの合間に手軽にできるエクササイズ
1日20分の歩行が習慣づいて、その次のステップとしておすすめのエクササイズとして、関節の可動域を上げるストレッチを白井さんに紹介していただきました。 まずはこのように座っている状態で、両手のひらを頭の後ろで組みます。 この状態で、両肘を閉じながら、おへそを引き込むように上半身を倒していきます。 90度ぐらいまで倒したら、肘を外に開いていきながら元の姿勢に戻り、胸を張ります。これを10回ぐらい繰り返します。 次は、腰の横に両手をあてます。 この体勢で、おへそを引き込むように腰を丸めます。丸めたら元に伸ばします。これも10回ぐらい繰り返しましょう。 最後は、片方の足を、体に対して斜め45度ぐらいで伸ばします。 その状態で、股関節からひねるような意識でつま先を外側に倒し、ついで内側に倒します。10回ぐらい繰り返したら、反対側の足についても同じようにします。 「これらは、デスクワークの方が抱えやすい不調を解消するエクササイズです」 と白井さんは説明します。 硬くなった胸の筋肉や胸椎、丸まっていたり、逆に反りすぎている腰、そして股関節やお尻周りの筋肉をほぐす効果があります。とても簡単なので、仕事の合間にしてみてください。