閉山から半世紀の河守鉱山 図書館分館が書籍や写真で歴史を紹介/京都・福知山市
かつて京都府福知山市大江町佛性寺、大江山中腹にあった河守鉱山の歴史を紹介する「大江町にあった鉱山」展が、大江町河守中央の市立図書館大江分館で開かれている。鉱山に関する図書や写真、採掘された鉱石などを展示。分館職員が製作した鉱山のジオラマ(立体模型)もあり、訪れた人たちが興味深く見ている。21日まで。 河守鉱山は1929年から、日本鉱業による本格的な操業が始まり、黄銅鉱やクロム鉄鉱などを産出。一番多い時で219人が働き、その家族ら総勢約600人で一つのまちをつくっていたが、主要鉱脈を掘り尽くしたため、73年に完全閉山となった。 それから50年が過ぎ、河守鉱山について知っている人が減っていることから、大江に鉱山があった歴史を広く知らせようと、初めて展示を企画した。 図書類は21冊が並ぶ。河守鉱山について書かれた『大江町誌』『大江伝』『大江風土記』のほか、『日本の鉱物』などの本もある。 市児童科学館から借りた黄銅鉱や磁硫鉄鉱、蛇紋岩などの鉱石6点も展示。石のそばには磁石を置き、くっつくものとくっつかないものがあることを来館者に体験してもらっている。 写真は鉱山跡地に建った市日本の鬼の交流博物館所有の14点。鉱山の選鉱場や坑口、坑内の売店、保育園、閉山後の社宅などをとらえている。 訪れた人たちの目を引いているのが、鉱山の各施設の配置を示したミニジオラマ。大きさは幅約50センチ、奥行き約35センチで、大江分館の職員が昔の写真を基に作った。 山は画用紙を使い、中に新聞紙などを詰めて立体的にして、紙粘土でこしらえた選鉱場や社宅、事務所、売店などを、当時あった場所に置いている。4月から約4カ月間かけて製作。来館者たちが「よく出来ている」と感心している。 このほか、河守鉱山や町内にある他の鉱山の年表なども掲示している。鉱山に関する思い出を用紙に書いてもらった人には水晶ビーズのストラップをプレゼントする。先着20人。 分館を訪れた大江町内宮の男性(80)は「日本の鬼の交流博物館の周辺に河守鉱山があったことは聞いていましたが、展示品を見て、鉱山でたくさんの人たちが働いていたことを改めて知ることができました」と話していた。 展示時間は午前10時から午後6時まで。月曜、祝日は休館。