クオンツファンドAQR、転換社債アービトラージ復活に機会見いだす
発行が増えれば価格が弱含み、裁定取引を行う投資家にとって魅力的な参入機会が生まれる。ブルームバーグがまとめたデータによると、米国の転換社債のうち額面で約1150億ドル、発行残高全体の約43%が、今から2026年の間に満期を迎える。
買収や倒産などの企業イベントは、さらなる機会を提供する。昨年発表されたシスコシステムズによるソフトウエア会社スプランクの280億ドルでの買収は、スプランクの転換社債に組み込まれたいわゆる買収防衛策を発動させた。これにより、社債の保有者は額面で同社に債券を買い戻させることができた。
昨年9月の買収合意後、2027年満期の転換社債の価格は80セント台半ばから90セント台半ばまで一気に上昇し、今年3月の買収完了が近づくにつれて値上がりを続けた。
ラバン氏によれば、既に通常の社債を発行している企業が転換社債を発行するケースも増えており、資本構成アービトレージの機会が広がっている。
「転換社債を数10億ドル買ってエクイティーをショートすることだけが選択肢ではない。本当に多様なサブ戦略を持つことができる。それが、この分野で取引するヘッジファンドが増えている最大の理由だ」と同氏は語った。
原題:AQR Hails Comeback of Convertible Arbitrage in Era of High Rates(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Yiqin Shen