【UFC】王者ショーン・オマリー「キャラか天然か? メラブはどちらかと言えば馬鹿寄りだね」
2024年9月14日(日本時間15日)米国ネバダ州ラスベガスのスフィアにて、『UFC 306: O'Malley vs. Dvalishvili』(U-NEXT配信)が開催される。 【写真】チケット代250万円も。これが総工費23億ドル=約3200億円の巨大な球体型アリーナだ 『ノーチェ(※スペイン語で『夜』を意味する)UFC』とも呼ばれる同大会のメインイベントは、UFC世界バンタム級タイトルマッチ(5分5R)で、王者ショーン・オマリー(米国)に、同級1位メラブ・ドバリシビリ(ジョージア)が挑戦する。 オマリーは、MMA18勝1敗1NC。登竜門大会『DWCS』を経てUFCと契約し、プロスペクトとして期待され、KO勝ちの山を築いて、2023年8月の『UFC292』で当時バンタム級王者だったアルジャメイン・スターリング(米国)に挑戦。2Rに右ストレートでダウンを奪い、パウンド連打で王座を獲得した。 2024年3月の『UFC299』での初防衛戦では、同級5位のマルロン・ヴェラ(エクアドル)と3年7カ月ぶりに再戦し、スタンドで攻勢となり判定勝ち。唯一の黒星を喫していた相手にリベンジを果たしている。今回は2度目の防衛戦。 一方のドバリシビリは、MMA17勝4敗。強靭なスタミナとノンストップレスリングを武器に、直近でUFCの歴代王者を3連破してタイトル戦を迎える。 2022年8月に元フェザー級王者ジョゼ・アルド(ブラジル)に判定勝ちすると、2023年3月に元バンタム級王者ピョートル・ヤン(ロシア)に判定勝ち。2024年2月には、北京五輪のレスリング・フリースタイル55kg級金メダリストで、フライ&バンタム級の元二階級制覇王者ヘンリー・セフード(米国)にも組みで譲らず判定勝ちを収めている。2018年9月から負けなしの10連勝で満を持してオマリーに挑む。 打撃のオマリーと組みのドバリシビリ、どちらが己を貫き通せるか──試合前会見で王者オマリーは「対策は順調に進んだ。あのスタイルが彼にとって上手くいくか、それともノックアウトされるか、試合で分かる」と語った。 ◆オマリー「アルジャメイン戦のキャンプの評価は『Dプラス』くらい、でも今回は『A』だ」 ──ラスベガスに戻ってきた気分は? 「最高だよ。まるでホームに帰ってきたみたいだ。コンテンダーシリーズを含めて、最初の10試合くらいはラスベガスでやったからね。だからホームに帰ってきた感じがして、本当に気分がいい。今回は日曜日にボストン、月曜日にマイアミ、そして火曜日の午後にはここに到着したから、ファイトウィークが短く感じられて凄く良いよ。ラスベガスに戻って来れて、とてもワクワクしている」 ──あなたはデイナ・ホワイト・コンテンダーシリーズからキャリアを重ねてきた。それは利点だと思う? 「UFCのプラットフォームで試合をするたびに、それ自体が大きな利点になるんだ。UFCほど注目される団体は他にないからね。だから俺にとって、UFCデビューから今に至るまで、毎試合少しずつ人気が上がってきた。UFCの下でそうやって成長してきたことは、本当に大きなメリットだよ」 ──今回のような特別なイベントこそ、あなたがUFC参戦以降、思い描いていた瞬間なのでは? 「その通りだよ、まさにこれが俺の目指していたものだ。2017年、2018年を振り返ってみると、プレリムに組まれたこともあるけど、この特別なイベントこそ俺の目指したものだ。当時はスフィア(※総工費23億ドル=約3200億円の巨大な球体型アリーナSphere)の存在すら知らなかったけど、こういう特別な瞬間を作りたかったんだ。デイナがこのスフィアの構想を話してくれた時、鳥肌が立ったよ。カメラが回ってない時でも、デイナはいつも熱くて、話していてすごく刺激を受けるんだ。彼がどれだけ努力を注いでいるか、UFC全体がどれだけこのイベントに力を入れているかが分かった。ファイターではない視点から、このイベントがどれほどすごいものになるか予感することができたんだ」 ──あなたはフィニッシュなど、特別な瞬間を自分で思い描けるファイターです。スフィアでの入場も想像すると楽しみでしょうか。 「スフィアの演出は他の人にとっては注目だろうけど、俺はケージに向かってやるべきことに集中している。周りが見えないくらいに一点集中してるんだ。ただ、あまりにも凄いと、入場中に演出を見ちゃうかもしれないけど(笑)。ただ、余計なことは考えないようにしているよ」 ──さて、今回の対戦相手のメラブ・ドバリシビリの戦い方について。テイクダウンを何度も仕掛けてくるタイプですが、対策もしやすいですか。 「対策は順調に進んだよ。あのスタイルが彼にとって上手くいくか、それともノックアウトされるか、試合で分かるだろうね」 ──アルジャメイン戦のトレーニングキャンプと、今回はどう違ったのでしょうか。アルジャメインもメラブもレスリングを得意としていますが、アルジャメイン戦の前は、あなたは肋骨を怪我してトレーニングが制限されていましたよね。 「アルジャメイン戦のキャンプの評価は『Dプラス』くらいだ。ランニングや坂道ダッシュはできたし、ミット打ちもできたし、キックボクシングのコンディションは良かったけど、柔術やグラップリングは全くできなかった。5~6週間前までは、まさにゼロだった。だから、あのキャンプは正直あまり良くなかったんだ。 でも今回は『A』評価をつけるよ。キャンプは本当に素晴らしかったし、メラブはとても危険な相手だから、それに相応しい良いキャンプが必要だったんだよ。みんなのために最高のパフォーマンスを見せるのが楽しみだ」 ──デイナ・ホワイト代表は、メラブのSNSの投稿について『馬鹿みたいじゃないか』と苦笑していましたが、キャラ作りなのか、本当に抜けているところがあるのか、あなたはどう思う? 「どっちもだろうけど、馬鹿のほうに寄っているよね。あいつ、氷が何かも知らずに飛び込んだんだぜ。水が冷たくなると氷になるって知らなくて、頭から氷に飛び込んだ。まぁ、そういう人物ってことだよ(笑)」 ──最近、メラブはメキシコの文化を取り入れているが、ファンの支持を得るためのプロモーションだろうか。 「あいつはジョージア人のフリをして、それからアメリカ人のフリをして、今度はメキシコ人のフリをしてる。あちこち手を出してる感じだけど、努力はしてるんだろうから、批判できないかな(笑)」 ──メラブには個人的な感情もある? 「少しはあるね。(メラブと仲の良い)アルジャメイン・ スターリングをKOしてから、確実に個人的な恨みを持っていると思うよ。ただ、アルジャメインとメラブの友情に疑問を感じるようにもなったんだ。俺がアルジャメインをKOして王者になったから、次はメラブの防衛戦を戦うって思ってた。それなのにアルジャメインは『リマッチがしたい』って言い出して。『こいつら本当に友達か?』って思ったんだよ。メラブは『UFCからオファーがあればアルジャメインと戦っていた』って言ってたし、正直、何が起きてるのかよく分からない」 ──メラブのようなスパーリングパートナーを見つけるのは苦労した? 「特に苦労は無かった。誰でも完全に同じファイターを見つけるのは無理だけど、体格が小さくてスパーリング中にタックルを仕掛けてくる選手を見つけられたからね。スパーリングもキャンプ全体もすごく満足しているよ」 ──「メラブが無尽蔵のスタミナでも2ラウンドでKOしたら関係ない」とあなたは言っていました。2ラウンドKOを考えていますか。 「1ラウンドかもしれないし、2ラウンドかもしれない。5ラウンドまでにはKOできると思うけど、今のところは2ラウンドが妥当かな」 ──NFLのカーディナルスとのトレーニングはどうでしたか。 「めちゃくちゃ楽しかったよ。子供の頃の夢が叶ったような感じだった。最初に抱いた夢はNFLに入ることだったんだ。アメフトは俺の一番好きなスポーツだったし、それを体験できたのは本当に夢が叶ったようだったよ」