虎のソナタ 「金丸くんで1面を書きたい」と意気込むも… 新人記者の願いかなわずベテランの手に
プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD(24日)昼下がりの編集局では、スーツを着てきちんとネクタイを締めた青年が緊張の面持ちでソワソワと歩き回っていた。新人記者の萩原翔だ。 【写真】阪神1位・伊原陵人、170センチの小さな大エースになる「一番の戦力になりたい」 ドラフト担当デスクの川端亮平が東京本社のデスクとともに練り上げたドラフト取材記者の配置で、いの一番に記されていたのが- 「関大・金丸=萩原」 だった。 大学生ながら侍ジャパンにも選出され、複数球団の1位指名が確実な左腕投手。今回のドラフト会議の目玉の一人の取材は、サンスポ期待のルーキーに託された。どこの球団が指名しても、金丸の記事は萩原が書くということだ。 「僕が初めて1面の原稿を書かせていただいたのが金丸くんなんです。お父さんにもよく話を聞かせていただきました。こんな機会をいただいたので、また金丸くんで1面を書きたいです」 萩原は入社後、各部署での研修を経て、サッカーや高校野球などさまざまな現場に行ったが、関大の注目投手、金丸の取材にも行く機会が多かった。ときには自ら志願して球場に向かうことも。そして、金丸がプロ志望届を提出したタイミングの9月3日付でサンスポの1面を飾ったのが、萩原による金丸のインタビューだ。 「できれば阪神に入ってもらって、僕も阪神担当になって、そのまま金丸くん番になれればいいんですけど…」 そう言い残して、萩原は関大へ向かった。サンスポも予想していたとおり、阪神は金丸を1位で指名したが、くじ抽選の結果は…あぁ、なんということよ。4球団競合の末、金丸の交渉権は中日が獲得した。 萩原の願いはかなわなかったが、すぐさま記者の顔となって、金丸を囲んで取材する萩原の姿はテレビの生中継でもバッチリ映っていた。萩原の気合の入った記事は4面で読んでください。 「僕も1年目の時は関大に行きましたわ。岩田稔の取材でした。もっとも、当時は希望枠だったので、ドキドキとはなかったんですけど」 そう述懐していたのは、前述の川端だ。