「推しを見つけて」テニスの国際大会に東京都が都民400人“無料招待”の理由 スポーツ施策推進の背景に“法律”の存在も
東京都は9月14・15日に有明コロシアムで開催されるテニスの国別対抗戦「デビスカップ」の日本対コロンビア戦に、都内在住・在勤・在学の400人を無料で招待する。 コロンビア戦には錦織圭らが出場を予定している 東京都では今回のテニスだけでなく、さまざまなスポーツの観戦機会を提供する「スポーツ観戦事業」を進めており、今年はこれまでに卓球やハンドボールなどの試合で無料招待が行われている。 実際に「デビスカップ」の抽選に応募した、都内在住の男性Aさんは「招待がなければ試合を見に行こうとは思っていなかった」と話す。 しかし、一体なぜ東京都がスポーツの試合への無料招待を行っているのだろうか。
「推しスポーツを見つけていただきたい」
こうしたスポーツ観戦事業は、東京都の「推しスポーツProject」の一環として行われている。 同プロジェクトは、2025年に東京での開催が予定されている世界陸上と、耳の聞こえないアスリートのための国際スポーツ大会「デフリンピック」を盛り上げようと進められているものだ。 「推しスポーツProject」の“名称”について、東京都生活文化スポーツ局の担当者は「覚えてもらいやすいポップな名前を付けた」といい、取り組みの目的を次のように説明した。 「最近、○○推しといった言葉がよく使われているかと思います。 東京都としては、都民の方がさまざまなスポーツに親しむ機会を創出し、ひとりひとりに、自分の好みにあった“推しスポーツ”を見つけていただきたいと考えています。 そして、それぞれが、“推しスポーツ”に楽しく、継続して取り組むことで、心身の健康や都民の健康長寿、それからウェルネス向上を推進することが、『推しスポーツproject』の目的です」(東京都生活文化スポーツ局・担当者)
都のスポーツ施策、背景に国の基本法
東京都がこうしたスポーツに関する施策を実施している背景には、「法律」の存在がある。 スポーツ基本法第10条は、地方公共団体に対し、「(国の)スポーツ基本計画を参酌して、その地方の実情に即したスポーツの推進に関する計画を定めるよう務める」ことを定めている。 これを受けて東京都では「東京都スポーツ推進総合計画」を策定。前出の担当者は「この基本計画にもとづいて、『推しスポーツproject』を含め、さまざまなスポーツ振興施策を実施しています」と語った。