「推しを見つけて」テニスの国際大会に東京都が都民400人“無料招待”の理由 スポーツ施策推進の背景に“法律”の存在も
気になる予算は…?
実施の目的や背景はわかっても、東京五輪の汚職事件問題も記憶に新しく、その“費用”が気になるという人もいるだろう。 「デビスカップ」に応募した前出のAさんも「スポーツのすそ野を広げる意味では意義があると思いますが、税金の使い道としては正直微妙な気もします…」と話す。 観戦事業にかかる予算についてはどのように捻出されるのだろうか。 「観戦の招待や優待は、主催者の協力が得られる試合・大会を対象としていますから、東京都側でチケットの購入費用など、予算をつけて実施しているものではありません。 チケットの抽選や、当選の連絡、当日の対応などもすべて、主催している協会、団体にお願いしています。 ただし、東京都では国際スポーツ大会の開催支援や誘致支援のため、1億2000万円の予算を計上しており、観戦招待の枠を提供していただくことや、観戦客にも体を動かす機会を準備するなどの条件を満たした大会には、一大会最大で3000万円を支援しています」(東京都生活文化スポーツ局・担当者)
トップレベルのアスリートを見る機会に
観戦招待の対象となる試合や大会は、都内開催のもので、世界や全国レベルのトップアスリートが出場するような「見ていて楽しいもの」が選ばれているとのことだ。 また、五輪や国体で採用されているなど、競技の人口や認知度も基準になるといい、「主催者の方からお声がけをいただいたのちに、東京都の方でこうした基準を超えているかどうかを確認して実施しています」(前出・担当者)。 前出のAさんも「トップレベルの試合を見ることは実際にプレーする上でも重要なので、とてもいい取り組みだと思いますし、今後も機会があればほかの競技を観戦してみたい」と期待を口にする。 「デビスカップ」の抽選応募は8月28日の正午で締め切りとなるが、東京都では推しスポーツProjectとして現在、J1のFC東京対サガン鳥栖戦の親子ペア招待を実施している。
弁護士JP編集部