M4搭載で史上最高のiMac誕生! Nano-textureガラス対応で大画面がクリエイティブにも活きる
アップルは最先端のApple M4チップを載せた「iMac」を新たに発売しました。M3搭載iMacの登場から1年、最新モデルの進化をレポートします。 【もっと写真を見る】
アップルは最先端のApple M4チップを載せた「iMac」を新たに発売しました。M3搭載iMacの登場から1年、最新モデルの進化をレポートします。 完成度の高いデザインを継承 10コア/4ポートの上位モデルが熱い iMacはディスプレイ一体型の本体に、ワイヤレスのMagic MouseとMagic Keyboardが付属するオールインワンのデスクトップ型Macです。購入直後から即戦力として活躍するMacとして、オフィスに学校、リビングルームなど様々な環境で親しまれています。 アップルが2021年に発売したM1搭載iMacから、24インチの4.5K Retinaディスプレイを搭載する現在のプロダクトデザインが継承されています。パネルの厚みはわずか11.5mm。アルミニウムの重厚なスタンドにより、デスクトップに置いた本体がしっかりと安定します。筆者もiMacを使うほどに、とても完成度の高いデザインであることを実感します。 本体のカラーバリエーションは全7色。M3機に比べると、M4機は少し色調が淡くなったように筆者は感じます。なお、M3機ではベーシックモデルのiMacは選択できるカラバリが全7色のうち4色に限られていました。M4機はベーシックモデルも全7色から選べます。 iMacにはM4チップをベースにしたモデルが大きく2種類あります。19万8800円から買えるモデルは、CPU/GPUが8コア、背面に搭載するデジタルポートはThunderbolt/USB 4ポートを2つ搭載しています。23万4800円からの上位モデルは、CPU/GPUが10コアで、Thunderbolt 4ポートが4つという構成です。 メインメモリーの容量は、どちらのモデルもベースラインがM3機の2倍となる、16GBに増量しました。そして驚いたことに、8コアと10コアのiMacは両方とも価格をM3世代から据え置いています。ユーザー体験全般を支える、パフォーマンスの安定感が増すことを考えれば、新しいiMacはかなりお得な買いものになるでしょう。 8コア/2ポート仕様のベーシックモデルのiMacも、デスクトップ型Macの入門機としては十分すぎるほど高い性能を備えています。ただ、購入後も長く様々な用途に使うことを考えると、現時点で可能な限りベストパフォーマンスの仕様を揃えるiMacを選ぶべきです。 Thunderboltポートのほか、ギガビットEthernetや付属キーボードのTouch IDが付いてくることも考慮すると(標準モデルではそれぞれ+4000円、+1万1000円のオプション)、プラス3万6000円で手が届く10コア/4ポートのモデルに先行投資する意義はあります。 Apple Intelligenceにも活きる24インチの大画面 Geekbench 6でM4搭載iMacのパフォーマンスを調べました。測定を複数回したスコアの平均は、CPUのシングルコアが3500ポイント前後、マルチコアが14000ポイント前後でした。GPUスコアは36000ポイント前後という結果です。 M3チップ以降から組み込まれたハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングのエンジンにより、M4搭載iMacもゲーム映像の高い表現力を備えました。 macOS 15.1からデバイスとSiriの言語環境を英語にするとApple Intelligenceの各機能が使えます。新しいiMacも、アップルがApple Intelligenceのために設計したMacです。 Apple Intelligenceがメールを含むあらゆるテキストデータを「要約」したり、フレンドリーな/プロフェッショナルな/簡潔なテキストに「リライト」する機能は、大きな画面で文字が読みやすいiMacとの相性がとても良さそうです。 長文のテキストもM4搭載のiMacはスムーズにリライトします。書き換えられた英語のテキストの細かいニュアンスについて、残念ながら筆者はそのでき映えを判断できるほど英語力に長けていません。Apple Intelligenceの「語学力」については、2025年以降、日本語に対応した時点でまた深掘りしたいと思います。 iMacの24インチ、4.5KのRetinaディスプレイがあればApple Intelligenceの「クリーンアップツール」による写真編集も快適です。Image PlaygroundのAIで生成した画像を、Keynoteのスライドやメッセージに貼り付けたり、クリエイティブな連携作業にもiMacの大きな画面が活きてきます。 ディスプレイの上部中央には12MPセンターフレームカメラがあります。iMacが初めて内蔵するセンターフレームカメラには超広角レンズを搭載しました。ビデオ通話の際、カメラの前に立つユーザー、あるいは複数の人物がきれいにフレームの中に収まるようAIが自動調整する「センターフレーム」機能も便利ですが、ユーザーの手もとの映像をキャプチャーする「デスクビュー」にもシングルレンズのカメラで対応します。FaceTimeやMicrosoft Teamsなど、ビデオ通話の相手にピクチャー・イン・ピクチャー表示にしながらユーザーの顔と手もとの画面の両方を見せることができます。 デスクビューを起動する際には、設定ガイドに従って手もとの映像をフレームの中に収まるように調整します。iMacの場合は内蔵するカメラの向きを変えることが難しいので、iMacはできる限り後ろ方向に引きつつ、マシンと手もととの間にMagic Keyboardを3台縦に並べるぐらいの間隔を空ける必要がありました。 Nano-textureガラスのオプションをオススメする理由 iMacは上位の10コアモデルから、ディスプレイのカスタマイズオプションとしてNano-textureガラスが選択できます。価格はプラス3万円です。 Nano-textureガラスの効果は、陽の光や照明の映り込みが抑えられるだけでなく、24インチの大画面の前に座るユーザー自身の顔や手もとが映り込まなくなることが、むしろ大きなメリットです。 仕事の集中力が高まるという利点もありますが、筆者の場合iMacで映画やドラマをよく見るので、ふと暗い映像のシーンに転換した時に自分の顔や部屋の様子が画面に映り込んで興が冷めることが避けられます。 【まとめ】もはやエントリー向けMacにあらず! エンタメにもクリエイティブにも全方位で対応できるPC iMacはドルビーアトモスによる空間オーディオ再生も単体でこなせるパワフルな6スピーカー構成のオーディオシステムを内蔵しています。高品質な映像とサウンドをひとり占めできるパーソナルシアターとしても、iMacは異彩を放つ魅力的なデバイスです。 クリエイター向けPCモニターの中には「Macに画質を最適化」したことを特徴に掲げる製品も少なくありません。でも、筆者はやはりMacによるクリエイティブワークに適した最高のモニターはアップル純正品だと考えています。 でも、Apple Studio Displayは価格が21万9800円から。Mac本体やほかの周辺機器も必要になることを考えれば、「Apple純正ディスプレイ」と一体になっているiMacはビジュアルがメインのクリエイティブワークにも最適な選択肢でもあります。 10コアのiMacは最大2台、8コアのiMacも1台の外部6Kディスプレイに対応しています。必要に応じて、外部モニターを買い足しながらリファレンス環境を拡張・充実させることも可能です。 もはやiMacはただのエントリークラスのデスクトップ型Macではありません。プロのクリエイターの期待にも応えるパワフルで安定感のあるM4搭載iMacは「みんなのiMac」としてまた大きな成長を遂げていました。Apple Storeなど店頭で本格的にチェックする価値アリです。 文● 山本 敦 編集●ASCII