とんかつチェーン「かつや」で一人飲み。ヒレカツ、メンチカツ、海老フライ&ビールが“驚きの金額”で
とん汁はマストかも!?
また、忘れてならないのが脇を固めるメンバーたちの頼もしさ。たっぷりの千切りキャベツは、濃厚なごまドレッシングとソースの2色に染めて。フリーの卓上大根漬も、ぽりぽりと軽快な食感がたまりません。 それからとん汁! これがすごい。そういえば前回かつ丼を食べた時にはついてこなかったんですが、他のお客さんたちがやたらとうまそうにとん汁をすすっているな~と思ってたんだよな。 いや、意表を突かれましたね。このとん汁、ちょっと普通じゃないですよ。というのも、大量の豚肉を扱うお店だからでしょう。端肉などの 材料には事欠かないと想像され、とにかく薄切りの豚肉が、もう“限界ギリギリ”って感じに入っている。ゆえに、汁の表面に豚の脂が、まるで満天の星空のように輝いている。 影の主役ですよね。かつやの。もう、うますぎる。普通にランチを食べにくるだけならば、もはや「とん汁(大)」と「ご飯」のセットで事足りるんじゃないの?ってくらい(ちなみにその2品だと合計396円)。ゆえに、酒のつまみとしても超優秀。
夢のような時間を満喫
感激のあまり思わずとん汁について語りすぎてしまいましたが、メインの揚げものたちの美味しさも、当然間違いなさすぎました。 ぷりぷりで、ほおばるたびに脳内に幸せホルモンが噴出する海老フライ。これまたビッグサイズで、驚くほど柔らかく、上品な旨味のヒレカツ。どれもこれも、目隠しをして食べさせられ、値段当てクイズでもさせられようもんなら、本気で2~3倍の値段を言ってしまってもおかしくない美味しさです。そんでまた、揚げものとビールってなんでこんなに合うんでしょうかね……。 強いて言えば、あまりに夢中になりすぎて、序盤で全体にソースをかけてしまったんですが、「おろしポン酢」(154円)や「タルタルソース小袋」(16円)などを頼んで味変要素を加えたら、さらに充実した飲みが楽しめたかもしれない。次回はそうしてみよう。 同業種のなかでもとりわけお手頃なとんかつチェーンでありながら、あまりにも妥協のない美味しさに圧倒された、人生初のかつや飲み。海老フライ、メンチカツ、ヒレカツという、子供のころからの夢が具現化されたようなつまみで飲めるのも楽しく、大大大満足でした。 そしてこれ、チェーン店あるあるのひとつだと思うんですが、お会計時に次回使えるクーポン券がもらえまして。その内容は、店内テイクアウト共通で100円割引。つまり、今日の飲み食いの合計が1331円と、すでにどう考えても破格すぎたのですが、次回このクーポンを使うと、1231円になるということ? いやいや、かつやさん、いくらなんでもやりすぎですって……。 <TEXT/パリッコ> ―[チェーン店ひとり酒]― 【パリッコ】 1978年東京生まれ。酒場ライター。著書に『酒場っ子』『つつまし酒』『天国酒場』など。ライター・スズキナオとのユニット「酒の穴」としても活動中。X(旧ツイッター):@paricco
日刊SPA!