川崎U-18が青森山田に2-1で勝利で暫定首位堅持「自分たちのサッカーをする覚悟が選手にあった」
6月30日、高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ2024 EAST 第10節 5試合が行われ、川崎フロンターレU-18(以下・川崎U-18 )は青森山田に2-1で競り勝ち、通算成績を7勝3敗とし、勝点を「21」に伸ばし、暫定首位を守った。敗れた青森山田は3勝3分4敗 勝点「12」とした。 【フォトギャラリー】 川崎フロンターレU-18 vs 青森山田 序盤から攻勢をかけたのは川崎U-18。両サイドから仕掛け、押し込んだものの青森山田の深く、堅い守備を崩せずにいた。また青森山田は守れているが、攻撃の際、推進力が足らず鋭いカウンターは鳴りを潜めた。双方シュート1本ずつという膠着状態が続いた前半45分間だった。 後半立ち上がりの50分、投入されたばかりの川崎U-18FW17恩田裕太郎が決定機を作ったものの、決めきれなかった。攻撃の手を緩めない川崎U-18 は62分、左サイドMF7加治佐 海のパスを受けたMF11児玉昌太郎がゴール前にマイナスのパス。これをMF10矢越幹都が右足で丁寧に押し込んで先制。さらに川崎U-18は飲水タイム明けの71分、クロスボールを拾ったDF2柴田翔太郎がシュート。このこぼれ球をFW17恩田が押しこみ、追加点をあげた。 2点差とされた青森山田としては前に出ざるを得なくなり、ゲームはオープンな展開に。フィジカル、運動量、ハードワークがモットーの青森山田は終盤に近付くにつれ、攻撃の圧を強めるなか、87分、ロングスローからMF8別府育真の浮き球のパスを最後はFW19石川大也が倒れながら、蹴りこみ1点差とした。続く89分、クロスからゴール中央に飛びこんだMF8別府が強烈なシュートを放ったが、これを川崎U-18GK16松澤成音に阻まれ、得点ならず。後半アディショナルタイム4分、諦めない青森山田は執拗なロングスローを敢行。GK1松田駿が攻撃参加する執念を見せたが、川崎U-18が守りきって試合終了となった。 「合わせるだけでした」と先制点を振り返った川崎U-18MF10矢越は「得点を取れていなかったので、めちゃめちゃ嬉しかった」と話せば、追加点を決めたFW17恩田は「相手の嫌なところを突くのが自分の仕事。自分のプレーでチームを勢いづけたかったです」と有言実行の活躍を見せた。 「青森山田さん相手に自分たちがどれだけできるか。思い切り恐れずやっていこうと話しをしました。選手たちは最後までやってくれました」と川崎U-18 長橋康弘監督。 7節・流通経済大柏、8節・横浜FCユースに敗れてから、9節・尚志に勝っての連勝。しかも昨季のEAST王者で、対戦成績1分1敗の青森山田に勝てたことは大きい。 長橋監督曰く、「チームの立ち上げから、青森山田の名前はあった」とかなり意識していたことがわかる。打倒・青森山田への答えは特別ではなかった。 「ブレずに自分たちのサッカーをやっていくこと(長橋監督)」 「自分たちのサッカーをすれば負けないので相手のことより自分たちがなにをやるかが大事(MF10 矢越)」と選手にも伝わっている。長橋監督や選手のいう「自分たちのサッカー」とは川崎U-18特有の高い個人技と、その個人技をベースにした連係だが、これだけではまだ足りない。 「(青森山田の特長である)空中戦、セカンドボールのバトル、球際、切り替えの速さ、ハードワークで上回れるチームになれるよう、選手たちと一緒に練習してきたつもりなので(長橋監督)」 うまくて強い、最後まで力強く戦えるチームへのアップデート。だからこそ、1失点したものの、青森山田の後半終盤の猛攻に耐えられたといえる。 今回の1勝は、その勝利以上に、歩んだ道、あるいはこれから歩もうとする道の正しさをより深く確認できた試合だったかもしれない。 「きょうのゲームは自分たちのサッカーをする覚悟が選手にはありました。恐れずに、やってくれれば良いなと感じます。きょうのような試合をきっかけに成長していくものなので、自信にしてほしいです」控えめながら、誇らしげな長橋監督だった。 (文・写真=佐藤亮太)