能登半島地震発生から5か月 石川県輪島市出身のシナリオライターが見つめる“ふるさと”の今
○町野町、唯一のスーパー「もとやスーパー」 輪島市の水道復旧率は、5月20日の時点で約97.2%。個々の家庭での断水も少しずつ解消されてきましたが、下水道や浄化槽の問題はまだ残ったままです。 そんななか、町野町唯一のスーパー「もとやスーパー」さんに、4月26日、発災から初めての鮮魚が並びました。 お刺身はフクラギとヤナギバチメ、生魚はスルメイカとカワハギ。鮮魚の取扱では、水を多く使うことから、地もののお魚がお店に並ぶようになったのは、水道復旧のおかげです。 その後、もとやスーパーさんは、5月2日に初めてのお惣菜を再開しました。仮設住宅や避難所では滅多に食べることのできない揚げ物を中心に、震災前よりも品質を上げ、「全部絶品」という店長さんのお墨付きで販売し、お客様から好評を頂き、完売となりました。 もとやスーパーさんは、その後もお刺身や精肉を充実させ、お惣菜も数日置きだったものが5月下旬にはほぼ毎日の販売となるなど、町野町と近隣地域のみなさんの食事を支え続けています。5月24日には、冷蔵ケースを拡充してさらにお刺身や精肉などの食材の充実が進みました。 今後、食中毒の問題などから避難所などに配布されているお弁当がなくなることから、もとやスーパーさんが担う役割はさらに大きくなっていくものと思います。 震災後、新たに作られたのぼり、「まちのまんなか もとやスーパー」「営業中」が、今日もお客様をお迎えしています。 ○「地域経済を回す」循環型支援 4月3日より、NPO法人リエラさん(大分県日田市)が、もとやスーパーさんで食材を調達した、炊き出し支援の取り組みをはじめてくださいました。 本来は能登町の古民家、能登屋(石川県鳳珠郡能登町小浦)を拠点に活動をされていらっしゃるのですが、町野町の現状を鑑みて、支援に動いてくださっています。 NPO法人リエラさんのご支援は、単なる炊き出しに留まらず、炊き出しの材料を現地で調達し、地域住民に還元するという「循環型炊き出し支援」を実践くださいました。