「プライム」が Amazon のソーシャルコマース戦略の中核になりつつある理由:メタのアプリ内でAmazonの販売商品が購入可能に
アプリ内購入を促すメタの試み
この動きや、最近のほかの動きを後押ししているテーゼ(主張)は、Amazonが買い物客とのあいだに、購入に踏み切らせるための十分な信頼を築き上げたということだ。これは歴史的に、米国におけるソーシャルショッピングの最大の難関だった。 「ソーシャルでの販売が今の形になるとは誰も思っていなかった」と、eコマース代理店のクランチグロース(CrunchGrowth)の創設者兼CEOのフィル・マシエロ氏は語る。「顧客について考える必要がある。顧客は、自分の信用情報を提供したくないものだ」。 実際、ソーシャルプラットフォームは、利用者に自社のサイトで商品を購入してもらおうと試みては失敗してきた。このような試みはほとんど失敗した。メタはライブショッピングをテストしたが、そのプログラムは結局2022年にこのプログラムを終了した。メタは2019年に、インスタグラムによるアプリ内チェックアウトを開始したが、ブランド独自のShopify(ショッピファイ)サイトに買い物客を誘導する代わりに、このチェックアウトサービスをブランドに採用してもらうのに苦労してきた。アプリ内購入を促すメタの最新の試みは、ブランドがShops機能を利用するために、Facebookやインスタグラムのチェックアウトを有効にしなければならないようにすることだった。しかし、このAmazonとの新しいパートナーシップは、メタがアプリ内チェックアウトの戦略全体を再考している可能性をうかがわせるものだ。 一方、TikTokはコマースを促進するために何年にもわたって多くの試みを行ってきた。昨年、欧州と米国でeコマースプログラムを開設し、廃止したのもそのひとつだ。同社はTikTok Shopでそのプロクラムを復活させた。これはブランドに対して、自社の承認済みフルフィルメントサービスを使用するなど特定のルールに従うことを義務づけるものだ。 マシエロ氏によれば、このような多くのソーシャルショッピングの試みが主流となれなかった最大の理由は、「顧客が自分の信用情報を提示したくないから」、すなわち、利用者に対して決済と配送の情報を各プラットフォームに提示するよう求める手順だ。「そこで登場するのが、もっとも信頼性の高いプラットフォームのひとつであるAmazonだ。すでにプラットフォームが個人の情報をプライム用に把握している」と、同氏は述べる。