奈良で貴重なコラボ企画が開催中、聖武天皇即位1300年の記念年に 風物詩・正倉院展に合わせて
2024年は、奈良時代の聖武天皇(701年~756年)即位1300年の記念の年。聖武天皇ゆかりの「正倉院宝物」の一部が公開される『第76回正倉院展』の開幕に関連し、同じく奈良市内で「奈良国立博物館」と「奈良文化財研究所」による珍しいコラボ企画もスタートしている。なかには、一般初公開の作品も。 【写真】水漬け状態での「木簡」の展示は非常に珍しい
■ 初の一般公開へ、今年2月に出土
それが、今年の2月に平城京の発掘調査で出土し、一躍注目を集めた聖武天皇の大嘗祭(だいじょうさい)にかかわる「木簡」の一般初公開だ。「奈良国立博物館(以下・奈良博)」「なら仏像館」での特別陳列『聖武天皇の大嘗祭木簡』で実現し、これだけの規模で両組織がコラボするのは初だという。約2600点出土した木簡のうち、エース級の優品8点が出張展示されているので見逃せない。 あわせて、「奈良文化財研究所(以下・奈文研)」の「平城宮跡資料館」でも秋期特別展『聖武天皇が即位したとき。―聖武天皇即位1300年記念―』が同時開催され、1期2期あわせて約40点の聖武天皇の大嘗祭関連の木簡が初公開されている。 このコラボ企画について、奈良博の井上洋一館長は、「モノで聖武天皇を感じられる正倉院展の後に奈良博の仏像館へ、さらに、奈文研の平城宮跡資料館を訪れれば、木簡から、ここで生きた聖武天皇の生々しい歴史を実感できますので、ぜひ巡っていただけたら」と呼びかける。 それが「奈良国立博物館(以下・奈良博)」での特別陳列『聖武天皇の大嘗祭木簡』と、「奈良文化財研究所(以下・奈文研)」での秋期特別展『聖武天皇が即位したとき。―聖武天皇即位1300年記念―』。これだけの規模で両組織がコラボするのは初だといい、なかでも各館の注目作品は、2024年2月に平城京の発掘調査で出土し、一躍注目を集めた聖武天皇の大嘗祭(だいじょうさい)にかかわる「木簡」だ。 大嘗祭とは、天皇が即位後に初めておこなう新嘗祭(にいなめさい/収穫した新穀を神に奉り、国家安泰、国民の繁栄の祈念する祭儀)のこと。木簡は、地下から出土した文字が記されている木の札(木片)で、当時を理解する上で重要な出土文字史料だ。この木簡は、両館あわせて初の一般公開となる。