待ってろ大谷翔平&山本由伸! 米ロサンゼルスドジャース、超ディープ現地観戦レポ
■レッツゴー・ドジャース! ゲーム開始の2時間前に球場に入り、イヴァンたちと別れる。人が増えないうちはかなり自由に移動できるので、レフト線にあるブルペン脇席の最前列に行けば、練習中の選手を間近に見られる。トスしてくれることもある。 ラッキーなことに、ちょうど山本由伸投手が出てきて軽い往復ジョグを始めた。「ヤマモーロー」とサインをねだる子供らの声が上がる。新天地での彼の姿を間近に(最接近時5m)見られて感動である。 開幕戦の私の席はライト線ファウルゾーンの最上段だ。セレモニーの時間が近づくと、急峻なすり鉢状にせり上がるスタジアムの席は、ファンが身につけたチームカラーの青に彩られ、空のかけらをまぶした点描画のようだった。 一方、外野席は階数ががくんと下がり、球場近くのエリシアン・パークに程よい密度で繁茂する樹々の緑を見せてくれる。その生々しい起伏は、かつてのチャヴェス山峡の面影だろうか。 なるほど美しい球場だ。 さあプレーボールだ! 絶好調の1番・ベッツが四球で出塁し、2番・DH・オータニの名がコールされると一部でスタンディングオベーションが行なわれるほどの歓迎ぶり。空振りでも歓声を呼べるのは、私が見る限り彼だけだった。 隣の席のスカイさんはカージナルスファンだったが、8歳の息子ネイサン君がドジャースファンで、宗旨変えしたらしい。試合の展開や選手の特徴を息子に説いて聞かせているのがほほ笑ましい。 試合はテンポよく進み、7回。カージナルスの攻撃が終わると、憧れのセブンス・イニング・ストレッチだ! みんな立ち上がって『私を野球に連れてって』を歌う。私も声を張り上げ歌うが、次の一節で思わず苦笑してしまった。 【帰れなくなっても構わない】 あさっての朝には帰らなきゃいけないんだよなあ、日本に。帰りたくない! * * * 開幕デーゲーム、翌日のナイトゲームともドジャースは快勝し、その次の日の朝にはロサンゼルス国際空港へ。ロスよ、またな! 取材・文・撮影/前川仁之 写真/共同通信社