待ってろ大谷翔平&山本由伸! 米ロサンゼルスドジャース、超ディープ現地観戦レポ
■リトルトーキョーの熱 入国審査は長蛇の列で、着陸から通過まで軽く1時間かかった。審査官に「ドジャースの試合を見に来たんです」と言うと、「ああ、なるほどね」で合格。日本人旅行客は、数年はこれでいけそうだ。 この日はロス在住のアーティスト、ロバート・ヴァルガス氏が手がけた超特大の〝オータニ壁画〟の除幕式が、日系人街リトルトーキョーで行なわれる予定になっていた。 空港からロス市内のターミナル駅ユニオンステーションまでは空港直結のバス「フライアウェイ・バス」が早いし安全。片道9.75ドル(約1500円)だ。 これに乗って午前10時35分、ユニオンステーション着。駅から南へ、リトルトーキョーに向かって歩いていると、前方にドジャースのユニフォームを着たふくよかな女性3人組の姿があった。 ひとりは背番号「50」のベッツ選手、もうひとりは「17」、オータニだ! ダッシュで距離を詰めて挨拶と自己紹介。ファン歴40年以上の彼女らは、やはり壁画の除幕式へ行くところだと言う。 ――大谷選手をどう思う? 「スゴすぎよ。ベーブ・ルース以上のスターじゃないかと思うわ」 ――今季、彼に期待することは? 「何か記録を作ってほしいな。打者で50ホームラン、投手で15勝とか......。あ、でも今季は投げないんだっけ。だったら55本は超えてくんなきゃね」 明るくノリのいい彼女たちは、翌日のホーム開幕戦にも行くそうだ。 リトルトーキョーの入り口に着くとロス市警が車道を封鎖し、すでに大勢が集まっていた。「OHTANI」の名が入ったユニフォームを着用している人の多いこと! 壁画は、15階建てのミヤコホテルの東南の壁一面を使った特大の作品で、まだブルーシートで覆われていた。報道のヘリが澄んだ青空を旋回している。 親子3代で遊びに来ていた日系人の家族と出会った。J・スドー氏と、娘のジャネットさんとそのお嬢さんだ。 「以前から父に連れられてドジャースタジアムに行ってました。オータニが移籍するってインスタグラムで初めて見たときは、ウソッ! 夢じゃない?って感激でしたよ」(ジャネットさん) やがて除幕式が始まった。和太鼓の演奏が披露され、期待をあおる。そして、ついにカウントダウンが始まり、ブルーシートが下ろされ、大谷の巨大な雄姿が現れた。クラッカーが鳴り、拍手喝采。それからは作者のヴァルガス氏との記念写真を求め、ファンが引きも切らずだ。 ついには警備に当たっていたロス市警の面々まで「本官たちも記念にひとつ、よいかな?」と集まってくる。いいなあ、このノリ。 ヴァルガス氏から日本のオータニファンへ向けてコメントをいただいた。 「この壁画のインスピレーションとなったのは、団結と文化間の架け橋です。ショーヘイ・オータニは野球という競技とこの街にとっての偉大な大使です。今や日本とロサンゼルスの誰もが、オータニとドジャースに根差すひとつのチームになれるのです!」