軽自動車規格のスーパーセブン発売 魅力は「原点回帰」
「重量増加」の歴史を転換
スーパーセブンはオリジナルモデルが1957年にデビューし、以来時代に応じた高出力エンジンにアップデートしながら60年近くも生きながらえて来た数奇なクルマだ。それは同時に「パワーアップ→補強=重量増加」の歴史でもある。今回スズキから単体重量約70キログラムの軽量で手ごろな出力のエンジンを入手したことで、高価な部品に頼ることなく各部を軽量化することができた。いわば原点回帰的商品である。前述の証言と照らし合わればそれがスポーツカーとしての新たな付加価値になっていることが大いに考えられる。 「不特定多数に訴求する安価な道具」という枠組みには絶対に入らないスーパーセブン130の好感触を見ていると、オンリーワン商品の典型に思える。積み上げ型ではなく、引き算による原点回帰が商品の魅力を引き立たせてるという意味でそれは多くの示唆に満ちているように思う。 (池田直渡/モータージャーナル)