国に人口減少対策の取り組み強化を求めることなどを議論した全国知事会議＝8月1日、福井県福井市のフェニックス・プラザ

　全国の都道府県知事が集まる全国知事会議は8月1日、福井県福井市のフェニックス・プラザで開幕した。人口減少に対する政府の危機意識が欠けているとして、知事47人の結束を示し国に行動を促すため「人口戦略対策本部」を知事会に設置することを決議した。開催県の杉本達治・福井県知事は災害に強い国づくりに関する議論で、北陸新幹線の小浜・京都ルートによる新大阪までの全線開業の重要性を訴え、整備促進への理解を求めた。会議は2日まで。 　人口減少問題に関する提言では、国が責任をもって対策を進める司令塔組織を設置するよう要請。自治体の財政力によって子育て環境に格差が生じないよう、全国一律での子ども医療費助成や、高校授業料無償化などに向けた地方財源の確保も掲げた。 　国土強靱化や交通ネットワークの整備促進に関する議論で、杉本知事は小浜・京都ルートの建設費が当初想定の倍に上振れする見通しとなったことに触れ「『国家百年の計』の視点で日本の将来のために必要だ」と強調。他県知事も同調し、大阪－四国－九州を結ぶ構想段階の基本計画路線「四国新幹線」の終点となる大分県の佐藤樹一郎知事は「国は敦賀－新大阪間をいち早く整備し、基本計画路線の事業化を前に進めるべきだ」とした。 　知事会は、激甚化する自然災害への対策や国土の均衡ある発展に向けて新幹線や高速道路のネットワークを整える重要性を訴え、国の財政支援の強化を求める提言も採択。開催地の負担が大きいとの声が上がる国民スポーツ大会（旧国民体育大会）を巡っても白熱した議論が行われた。 　夏の全国知事会議は各都道府県持ち回りで開いており、福井開催は初めて。44都道府県知事が出席し、3県が代理者やオンライン参加した。