健康食品で今飲んでいる薬が効きすぎたり効かなかったり、その飲み合わせが重大事故を招く
医薬品と同じように重大事故につながる
健康食品と医薬品の相互作用の仕方にはタイプが大きく2つに分かれる。1つ目は、健康食品と医薬品の作用が同じであったり、その逆であったりしたとき。その場合、医薬品の作用は強くなったり、弱くなったりする。たとえば糖尿病の薬を服用している人が、血糖値を下げる効果のある健康食品を摂取すると血糖値が下がりすぎてしまう。逆に血糖値を上昇させる作用のある健康食品を摂取すると、糖尿病の薬が効かないことになってしまう。 もう1つのタイプは医薬品の吸収を促進したり抑制したり、さらに医薬品の分解を促進したり遅らせたりする相互作用である。この場合も医薬品の作用は強くなったり、弱くなったりする。たとえば糖尿病の薬を服用している人が、その薬の吸収を促進したり抑制したりする健康食品を摂取すれば、血糖値が下がりすぎたり上昇したりする。その薬の分解が健康食品によって促進されたり抑制されたりすれば、血糖値が下がりすぎたり上昇したりする。 こうした健康食品と医薬品の相互作用には、医薬品と同じように重大事故につながることがあるので注意を要する。
長村 洋一(一般社団法人日本食品安全協会代表理事)