【旧ビッグモーター店舗前街路樹問題】伐採の背景に「点検」、結果悪いと降格や給料半分に 元店長の男が法廷で語った“組織風土”
■元店長に言い渡された有罪判決
橫浜地裁が元店長Aに下した判決は、求刑通り「罰金20万円」の有罪判決だった。 検察側は、ツツジを根元からのこぎりで切断する行為は「大胆かつ粗暴で悪質」だと指摘。Bからの指示があったとはいえ、切断することが違法だとは十分にわかっていたはずなのに、降格などをおそれ、自己保身のために部下の授業員を巻き込んで犯行に及んだとして罰金20万円を求刑した。 一方で、弁護側は、Bの再三の指示による犯行で「偶発的で従属的」だと主張。人事上の評価や処遇に大きく反映されると考え、Bに逆らえなかったAの状況を考慮して、罰金10万円が相当だとした。 橫浜地裁は、公共の財産であるツツジを伐採したことについて、「大胆かつ反規範的」と指摘。降格などの処分をおそれてBの指示に従ったのは「自己保身的で身勝手」と厳しく批判した。Bに対して従属的ではあるが、結果的に部下に指示をして切断させていて、一連の犯行において不可欠で重要な役割を果たしていると結論づけた。
■「私と同じように罪を認めてほしい」
Aは法廷で罪を認めると、何度も反省のことばを発した。それは世間に向けられたものだけではなく、従業員に向けられたものもあった。 一方で、指示をされたBに対する思いを聞かれると、やや語気を強めてこう述べた。 ============================== 「私と同じように罪を認めてほしいです」「Bの指示がなかったら、絶対にやっていなかったです」 (弁護人側の証人尋問より) ============================== Aに街路樹を取り除くよう指示したとされる本部社員Bの裁判は、まだ始まっていない。捜査関係者によると、警察の捜査段階では一貫して容疑を否認していたというB。 検察側の冒頭陳述のように、BがAに街路樹を取り除くよう指示していたのであれば、Bはいったいなぜそのような指示をしたのか?今後行われるであろうBの裁判にも注目したい。