大の里、〝叔父〟に転がされて感謝 大相撲秋巡業
大相撲秋巡業（3日、千葉・柏市中央体育館、東京武道館）新大関大の里（24）が、土俵に転がされて感謝した。この日は相撲を取る稽古はせず、土俵下で四股を踏み、ぶつかり稽古では元大関の幕内高安（34）に声を掛けられ胸を借りた。 【別カットもみる】疲れて押せなくなると、高安に首根っこを押さえつけられる大の里（全3枚） ぶつかり稽古は激しく当たり、ひたすら押し込む。土俵を何度も往復。大の里が疲れて押せなくなると首に腕を巻かれて何度も転がされ、背中や腹が砂まみれになったが、「高安関には入門前からかわいがってもらっている。ありがたい」。 高安にとって、大の里の師匠の二所ノ関親方（元横綱稀勢の里）は入門した旧鳴戸部屋時代からの兄弟子。血縁でいえば、大の里は「おい」にあたる。番付社会にあって平幕力士が大関を転がす光景は珍しいが、高安は「親戚、家族みたいな関係性かな」。 高安によれば、自身が大関に昇進した当時、引退後も稽古場でまわしを締めて指導していた兄弟子の西岩親方（元関脇若の里）にも地位に関係なく転がされたという。「いまこうしていられるのも、二所ノ関親方に稽古をつけてもらったおかげ。恩返しみたいなもの」。新大関に遠慮のない稽古をつけられる貴重な存在だ。大の里は「元大関でもあり、もっとお願いしたい」とけなげ。〝おじさん〟も悪い気はしまい。（奥村展也）
