9歳で“飛び級”バルサ下部組織へ。久保建英、中井卓大に続く「神童」西山芯太の人間的魅力とは
小1でゴールから逆算するインテリジェンスを備えていた
――西山くんには大舞台や、周りのレベルが上がるほど実力を発揮できる、生来の勝負強さももともとあったのでしょうか? 羽毛:いえ、最初はみんなと同じように緊張していましたよ。強いチームと対戦する時は「強いの?」と聞いてくるので、その都度、「俺は芯太が一番すごいと思ってるし、ここでやれないと上にはいけないよ」と話していました。プレーでも最初から強度の高い相手にやれていたわけではなく、徐々に自分をチューニングしながら「ここまでできるんだ」という感じで一つ一つ壁を乗り越えていたので、しっかりと自分で成長をつかみ取ってきたんだと思います。 ――羽毛監督ご自身はU-16日本代表候補時代には南野拓実選手や室屋成選手などが同期で、現代表選手も多く見てこられたと思いますが、そういう選手たちとの比較も含めて、西山くんに将来性を感じるのはどんなところですか? 羽毛:私自身、パサーという立ち位置でサッカーをやってきた中で、アタッカーに対して感じる直感的なものがあるんです。例えば南野選手と一緒にプレーした時は、彼がペナルティーエリア付近に行った時に、PKを決めるような感覚で簡単にシュートを決める予感がありました。中島翔哉選手は、アタッキングサードに入った瞬間に「何かするな」といつも感じていました。芯太を最初に見た時にも、今まで代表クラスのアタッカーに感じてきたものと同じ感覚がありました。 自分の得意な形に入った時の芯太は手に負えないすごさがありますし、アタッキングサードに入った時のインテリジェンスは、今後さらに伸びていくところだと思います。 ――得意な形を生かすための思考力も、小さい頃から磨いてきたんですね。 羽毛:そうだと思います。例えば、トレーニング中に「ここを突破する時にパスとドリブル、どっちならいける?」とクイズ形式で聞いた時に、芯太は食い気味に「パス!」という感じで答えてくるんですよ(笑)。それだけビジョンが明確なので、1年生の時から大人と対等に会話できていました。頭の回転が早いので、会話のテンポも早かったですね。