イエレン米財務長官、「景気は好調」とバイデン政権の成果強調
David Lawder [ワシントン 29日 ロイター] - 米財務省は29日、イエレン財務長官が米銀行協会で同日講演した際の発言抄録を公表し、11月5日の大統領選を控えて長官が「米景気は好調」で国民の暮らし向きはバイデン大統領就任時より改善したと述べ、現政権の政策成果を改めて強調していたことが分かった。 生活必需品の高騰に苦しむ声が激戦州で高まっており、共和党候補のトランプ前大統領を支持する傾向が強まっている。今月のロイター/イプソスの世論調査では、激戦州の有権者の68%が生活費は上昇していると答えた。また61%が景気は悪化方向だとの見方を示した。 イエレン長官は「バイデン大統領とハリス副大統領が就任した際、何千人もの国民が毎日新型コロナウイルス感染で亡くなっていた。失業率は今の水準より50%高かった」と述べた。 その上で「当時と対照的に現在では、米景気は好調だ。堅調な個人消費と企業の設備投資に支えられて力強い経済成長が見られ、インフレはピークから大幅に低下している」と強調した。 長官は、生活費を引き下げる政府対応がさらに必要なことは認めた。ただ、物価よりも賃金の上昇ペースが速く「平均的な国民はパンデミック(世界的大流行)以前よりも多くの商品やサービスを購入する余裕があることを意味している」と指摘。さらに「景気への楽観的な見方を反映し、新規事業が記録的な割合で立ち上げられている」と付け加えた。