「取材源の秘匿」脅かし「権限のないデータ消去」も…鹿児島県警の捜索
また今回、本田・元警視正が「あった」と訴え、野川本部長は「一切ない」という捜査隠蔽の真相はどうなのか。警察庁は県警による捜査や調査の結果を踏まえ、県警への監察を実施する方針ですが、果たして“身内”の調査がどこまで踏み込めるのか――。むしろ本田・元警視正が起訴されて裁判になった場合、弁護側は「公益通報」を主張するでしょうから、この法廷での争いのほうが、県警の「闇」に迫る気がします。 もちろん、実直で温かい警察官も多数いることは、ここで育ち、記者としても勤務した一人として知っていますが、組織に問題があることはもはや否めないでしょう。これを機に、抜本的な立て直しが求められていますし、それは150万県民に対する責務だと思います。日本の警察の創設者にして、「日本警察の父」とも言われる川路利良大警視は、薩摩藩士でした。先人に恥じない組織の再生を、鹿児島県出身者の一人として、私も願っています。 ■◎潟永秀一郎(がたなが・しゅういちろう) 1961年生まれ。85年に毎日新聞入社。北九州や福岡など福岡県内での記者経験が長く、生活報道部(東京)、長崎支局長などを経てサンデー毎日編集長。取材は事件や災害から、暮らし、芸能など幅広く、テレビ出演多数。毎日新聞の公式キャラクター「なるほドリ」の命名者。
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