「絶対叶える!」という強い気持ちが引き寄せる、服部樹咲の未来。【私のパリシック。vol.3 服部樹咲】
初めての長編作品主演で感じた新しい思い。
──映画では、発達障害を持つ役を繊細な感情表現で演じました。服部さんは、総合芸術と呼ばれるクラシックバレエの経験が長くありますが、そのキャリアは今回の作品で役立ちましたか。 舞台で踊る時は、お客さんからどう見られているかという第三者からの視点をいつも考えています。他者から見える"最高の自分"の姿を想像しながら踊ることは私にとって楽しいことです。演技をする時もバレエと同じように「いま、カメラを通すとこう見えているのかな」、「このアングルから見た自分の表情は?」など、そういうことを考えながらお芝居をします。その部分は、バレエでの経験が役に立っていると思います。 ──今回、長編作品初主演を飾りました。どのような気持ちで挑みましたか。 プロデューサーである森谷さんとは、『ミッドナイトスワン』の時以来4~5年ぶりに再会しました。初めて会ったのは、12歳ごろのオーディション。今回、17歳で再びオファーをいただいたので、約5年ぶりに会う森谷プロデューサーにいい姿をお見せしたい、期待に応えたいという気持ちがありました。 ──撮影中に言われて嬉しかったことや新しく手に入れた学びはありましたか。 今回私が演じた史織は、発達障害を持っているキャラクターだったのですが、作品に入る時に監督から、障害があるから何か才能に秀でているわけではなくて、誰にでも得意不得意があるという話をうかがいました。私はバレエが得意ですが、それはその個性をたまたま親が見つけて育ててくれたから。監督とお話をして、発達障害があるとないとかではなく、史織の持つ人としてのかわいらしさや魅力にフォーカスを当てて準備をすることを意識しました。 現場で嬉しかったのは、「カメラが回っていると表情や仕草が史織になるね」と言っていただけたことです。もちろん準備をしてやっているのですが、自分でもモニターを見て「こんなに変わっているんだ」とびっくりしたくらい、役に入るということはこういうことだという気付きがありました。