奨学金を返すことが難しくなった時の制度があるって本当ですか? 「思ったよりも収入が少なく生活が厳しい」などの理由でも対象ですか?
奨学金の利用を検討している方で、「将来、返すことが難しくなってしまったらどうしよう」とためらっている方もいるかもしれません。奨学金は借金ですので、返還の義務があります。 しかし、返還が難しくなってしまった場合、猶予してもらう(返還を待ってもらう)制度があります。 ▼「大学無償化制度」の対象者とは? 年収要件や注意点を解説
在学猶予
日本学生支援機構の奨学金を利用している人が進学・辞退・留年・休学等した場合、在学猶予願(在学届)を提出すると返還を猶予してもらえます。ただし、留年や休学によって当初の卒業予定期を超えた場合は、毎年、在学猶予願(在学届)を提出する必要があります。 また、在学中に奨学金の利用を辞退(廃止)する、例えば、4年制大学の3年生で(在学中)奨学金の受け取りを止める場合、在学猶予願(在学届)を提出することにより、卒業予定期まで返還期限を猶予してもらえます。 在学猶予の期間は通算120ヶ月(10年間)です。なお、延滞の状態にある場合、在学猶予が承認されるまでの間、本人や(人的保証の場合)連帯保証人や保証人への請求が続きます。 在学猶予の期間が終わった月の翌月、その翌月から数えて7ヶ月目から奨学金の返還が始まります。例えば3月の卒業の場合、同じ年の10月から奨学金の返還が始まります。
返還期限猶予
奨学金の返還が始まってから、返還が難しくなってしまった場合には、何か方法はあるのでしょうか? 台風や地震などの天災、自身のケガや病気、経済困難、それに失業などの返還困難な事情が生じたときには、返還期限の猶予を申し出ることができます。延滞が生じる前に速やかに手続きを行いましょう。 もっとも、いずれの場合でも、申し出とともに必ず返還が猶予してもらえるわけではありません。申し出の後、審査が行われます。審査によって承認された期間についてのみ、返還が猶予されます。承認された期間が終われば、返還が再開されます。 なお、あくまでも猶予ですから、返還するべき奨学金や利子が免除されることはありません。猶予された期間の分、奨学金の返還の終了年月も先送りされます。猶予してもらえる期間は、通算で120ヶ月(10年間)です。 審査の結果、奨学金返還の猶予が承認されない場合には、返還を続けなくてはなりません。