「遺産500万円」を17歳の子どもに渡したい! 妻に「18歳になってからのほうが税金が安い」と言われましたが、どのくらい変わるのでしょうか?
遺産が入ったタイミングで子どもに贈与しようと考えた場合、17歳で贈与するケースと18歳で贈与するケースでは贈与税の計算方法が変わります。そのため、今すぐにでも贈与する必要がないなら、焦って贈与せずに18歳になってからのほうがメリットは大きい可能性が高いです。 本記事では、18歳になってから贈与したほうがメリットの大きい理由について解説するので、気になる人は参考にしてみてください。 ▼子ども名義の口座に「月3万円」ずつ入金してるけど、将来口座を渡すときに「贈与税」はかかるの? 非課税にすることは可能?
18歳以上と17歳未満では税率の計算が変わる
贈与税は、1月1日から12月31日までに贈与された額が、基礎控除額である110万円を超えた分が対象です。基礎控除額を超えていないなら贈与税は発生しませんが、超えている場合は決められている税率で贈与税の計算がおこなわれます。 税率は、他人からの贈与・きょうだい間の贈与・夫婦間の贈与・親から子への贈与で子が未成年の場合に適用される「一般贈与財産用(一般税率)」、両親や祖父母などの直系尊属から18歳以上(贈与を受けた年の1月1日において18歳以上)に贈与された場合に適用される「特例贈与財産用(特例税率)」が決められています。 一般贈与財産用、特例贈与財産用それぞれで税率が決められていることに加えて、贈与税の控除額も決められています。 例えば、500万円を贈与するときには基礎控除したあとで、一般税率では税率20%・控除額25万円ですが、特例税率では税率15%・控除額10万円になります。 基本的に特例贈与財産用のほうが贈与税について優遇されているため、17歳で500万円の贈与をするよりも18歳で500万円の贈与をしたほうがいいということです。
500万円を贈与するときの贈与税はどれくらいになる?
500万円を贈与するときの贈与税について、一般税率と特例税率それぞれ計算してみます。最初に基礎控除後の課税額を計算してから、贈与税額の計算をするのが基本的な流れです。 基礎控除後の課税額の計算 贈与額-110万円(基礎控除額)=課税価格 贈与税額の計算式 課税価格×税率-控除額=贈与税額 500万円を贈与するときの贈与額は、以下のとおりです。 一般税率:500万円-110万円=390万円 390万円×20%-25万円=53万円 特例税率:500万円-110万円=390万円 390万円×15%-10万円=48万5000円 贈与税額は一般税率と特例税率では4万5000円の差があるため、今すぐにでも贈与する必要がないなら18歳になるまで待ったほうがお得です。 また、複数の贈与があり一般税率と特例税率が同時に適用される場合、すべての財産をそれぞれの税率で計算した税額に占める一般贈与財産と特例贈与財産の割合に応じた税額を別々で計算し、合算した金額が贈与税額になります。