「手りゅう弾やマシンガンを使って…」《九州きっての武闘派組織》浪川会トップ「異例の引退劇」…通知書で明かされた「本当の理由」
九州の大物が相次いで引退
そして今年5月27日に道仁会の小林会長が継承式を行い、その2日後の29日に浪川会の浪川総裁が本部のある大牟田市警察署に引退届を提出。 道仁会は福田憲一理事長が5代目を襲名、浪川会は現会長である梅木一馬氏が引き続き、組織を率いていくこととなる。 かくして日本ヤクザ史に残る抗争を繰り広げた両氏は、任侠としての幕を下ろした。 6月に関係者の間に配られた浪川氏の「引退御通知」には、長きにわたった抗争の苦悩と引退を決めた理由についてこう綴られていた。 「九州誠道会発足より現在の浪川会に至る迄重責を全うし乍も若者達の行く末を案じ後顧の憂いを残さぬ様 問題解決への道を模索して参りましたが熟慮の末 私の先代 村上長二郎 が自身の身を引く事に依り抗争集結を願った英断を鑑み私が身を引く事で和平への道の礎と成り過去の清算に繋がる事と確信し決断致した次第で御座居ます」(原文ママ) 自身が身を引くことで、過去にケリをつける。通知書には、浪川氏と抗争という切っても切れない関係性が浮き彫りとなっていた。 反面、暴力団関係者の中では長く抗争を率いてきた浪川氏の引退についてはこう指摘する声も少なくない。別の暴力団関係者が話す。
捜査関係者も注視する動向
「14年から始まった工藤会の壊滅作戦では、同会トップの野村悟総裁やナンバー2だった田上不美夫会長が過去の一般市民の襲撃事件にかかわったとして殺人罪などで逮捕、起訴されている。検察は一連の事件については、直接的な指示の証拠がなくとも組織の頂点にある野村総裁を首謀者と認定。一審では死刑が言い渡されている。 その後の高裁では無期懲役の判決に翻ったものの、ヤクザ組織においては物的証拠がなくともトップが罪に問われるという決定的な前例ができた。今回の浪川氏らの引退の裏には、この出来事が念頭にあるのではないか」(別の暴力団関係者) さらに関係者の間では今後の動きについてこんな情報が出回っているという。 「今、持ち上がっているのが両組織の吸収合併。浪川会が道仁会に入る形で組織を一本化する計画が出てきている。もし実現すれば全国でも随一の武闘派組織が誕生する」(前出) 一方、浪川会は全国の暴力団の中でも豊富な資金を有する組織とされている。ある捜査関係者は堅気となった浪川氏について、依然としてこう警戒感を露わにする。 「浪川会はヤクザのみならず半グレや海外組織などとも繋がりも深く、そのパイプから様々なカネを生み出しているとされていた。このコネクションを築いたのは誰でもない浪川氏だ。引退したとはいえ、今後もそのすべてにノータッチでいられるのかは疑問が残る」 果たして浪川氏の異例の引退劇は今後のヤクザ社会にどのような影響を与えていくのだろうか。 ・・・・・ 【さらに読む】『埼玉・蕨の「ヤクザアパート」の大家が逮捕…近隣住民が明かす「ヤバすぎる実態」と長女が語った「母の過去」』
現代ビジネス編集部
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