ミャンマー洪水に飲み水の緊急支援、徴兵をめぐって新たな分断の火種も
貧しい家の若者が「身代わり徴兵」で兵役に
2月に始まった徴兵制については、MFCGの活動地で第6次の徴兵が始まりました。対象は17歳~35歳までの男女。誰も手塩にかけて育てた子どもを兵隊にしたいわけではないでしょう。ご両親のお気持ちを考えると、本当に心が痛みます。 こうした中で「身代わり徴兵」と呼ぶべき現象も起きています。これは国軍に徴兵される人の代理を立てて、兵役に就いてもらうというものです。 各地の村では、これを遂行する仕組みもできつつあります。徴兵の対象となる若者を持つ家は、1人につき毎月3万チャットを積み立てます。例えば息子が3名いる場合は、毎月9万チャットを村長へ差し出すことになります。 もし国軍から徴兵がかかった場合、代理で行ってくれる人に300万~600万チャットが支払われます。この積立の金額も支払われる金額も、村によって異なります。貧しい家は、この身代金をもらって子どもを兵に送り、家計を成り立たせます。 村人たちは毎月、どんな気持ちでお金を積み立てているのだろうかと思うと、心が痛みます。誰もが、自分の子だけは徴兵されないように祈っていることでしょう。そして、自分の子以外の誰かも徴兵されて欲しくないとも。 まさに、お互いがお互いの幸せを考えることができない分断社会。こうした悲劇がない未来がミャンマーに訪れるようにと、MFCGは現地にとどまり活動を続けています。