「日鉄・橋本会長は当惑していた」「ビジネスで処理すべき」 USスチール買収で関経連会長
日本製鉄による米鉄鋼大手USスチール買収をバイデン米大統領が禁止した問題について、関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)は7日、大阪市内での記者会見で「本来は『ビジネスtoビジネス(ビジネス対ビジネス)』で処理すべきだ」と述べた。20日に就任するトランプ次期大統領の対応を注視する考えも示した。 バイデン氏は、米国の製造業を支える鉄鋼メーカーが海外企業に買収されれば、国家安全保障を損なう恐れがあると判断。日鉄側に、30日以内に買収を取りやめる措置をとるよう要求した。 松本氏は、今回の件はビジネスの問題であるとの認識を示し、「安保上の問題があると、大上段に振りかぶってきたところに大きな問題ある」と指摘。今後について、「トランプ政権が同盟国として日本をどう思うかであり、ウオッチするしかない」と語った。 一方、日鉄の橋本英二会長は7日、バイデン氏らを相手取ってUSスチール買収禁止命令の無効を求めて提訴したことを発表した。 橋本氏と親しいという松本氏は昨年、ゴルフを一緒にした際に、橋本氏がUSスチール買収を巡る米政府の反応に「当惑していた」と明かした。 松本氏は事態の進展を見守るとし、「USスチールは非常に伝統のある米国の魂であり、日鉄も日本の製鉄メーカーの魂といえる。何とかうまくやれば、双方にとって麗しいものになるのではないか」と語った。(井上浩平)