メインバンク企業の増加率トップGMOあおぞらネット銀行、首都圏や新設法人で強み
売上高別、売上高1億円未満が約9割
業績が判明した431社の売上高別では、1億円未満が373社(構成比86.5%)で最も多かった。 資本金別では、100万円以上500万円未満が最多の438社(同49.2%)、次いで100万円未満の222社(同24.9%)が続き、1,000万円未満が782社(同87.8%)を占めた。 従業員数別(正社員、判明ベース)では、4名未満が574社(同64.4%)と6割超に達し、小規模事業者を中心に顧客を増やしている。
産業別ほか、サービス業他が4割超
産業別、業種別で分析した。産業別では、最多がサービス業他の387社(構成比43.4%)、次いで情報通信業の219社(同24.6%)と続く。この2産業で606社(同68.0%)と約7割を占め、産業に偏りがみられた。 細かな業種別でみると、最多はソフトウェア開発など情報サービス業の162社(構成比18.2%)、続いて経営コンサルタントなど専門サービス業の159社(同17.8%)だった。 IT系やコンサルなどがGMOあおぞらネット銀行をメインバンクとする傾向にあるようだ。 一方で、運輸業や建設業、不動産業は社数が少なく、知名度アップやシステム構築の面で、取引社数増への鍵も見えてくる。 法人格別では、株式会社が最多の548社(同61.5%)、次いで合同会社の287社(同32.2%)だった。
直近1年で新たに494社のメインに
2023年3月末にGMOあおぞらネット銀行がメインバンクだったが、2024年3月末までにメインから外れたのは11社。一方、2024年に新たにメインバンクとなった企業は494社だった。 メインから外れた11社は、メガバンクや地銀、信金へのメイン変更が6割、休廃業・解散などが約4割だった。 新たにメインバンクになった494社は、サービス業が224社(構成比45.3%)、本社は東京都218社(同44.1%)がそれぞれ最多だった。 ◇ ◇ ◇ 取引社数の増加率は、勢いのあるネット銀行が上位を占め、地銀や信金、信組などを凌駕する。この背景には、24時間サービスや格安の振込手数料、迅速な融資など、従来の金融機関にない強みがある。 ただ、社数は地銀と比べてまだ少ない。資金や信用にボトルネックを抱える小規模事業者が中心だけに、今後どこまでネット銀行の特徴を訴求できるか注目される。成長をたどるGMOあおぞらネット銀行だが、取引企業の事業を軌道に乗せる手腕も試されている。 (東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2024年12月9日号掲載「WeeklyTopics」を再編集)