露ルサール、韓国で存在感。主催セミナーに100社参集
ロシアのアルミ大手ルサールの存在感が韓国で高まっている。ルサールが主催する持続可能性を主題としたセミナーがきょう9日、韓国ソウルで開催される。セミナーには、アルミ業界のみならず、自動車業界なども含めて韓国内の主要企業から約100社が参加する予定。低炭素アルミの生産者である同社への関心は脱炭素化の意識向上に連れて高まっている。 セミナーでは、世界的に加速する脱炭素化に対応するための講演を用意。主催者であるルサールの最新動向だけでなく、韓国の専門家を講師として招き、脱炭素に関する需要な業界動向についての状況を共有する。 韓国におけるルサールのシェアは高まっている。ルサールによると、2023年のアルミ非展伸材の輸入全体に占めるシェアは20%を超えている。ルサールは、同社の低炭素アルミを用いることで、ESGに強い関心を持つ世界中の顧客の要求に応えることができるようになることがメリットと述べた。 一方、日本は22年のロシアのウクライナ侵攻をきっかけに露産地金の使用量は減少している。レピュテーションリスクや地政学リスクを回避する動きが強まったためだ。これまで日本はアジアでトップシェアであったが、今は中国へと移っている。 ルサールは世界有数の低炭素アルミ生産者。アルミ製錬には大量の電力が必要だが、水力発電を用いて温室効果ガス排出量を削減している。アルミスクラップの活用にも精力的に取り組んでいるほか、不活性陽極を用いて温室効果ガスを直接排出しない製錬技術を開発し、量産化に向けて動いている。