Bloomberg

（ブルームバーグ）： 欧州中央銀行（ＥＣＢ）は17日、２会合連続の利下げに踏み切る見込みだ。インフレの急速な後退と経済の悪化を示すデータを受け、緩和のペースを速める。

ブルームバーグが実施した調査の回答者全員が、中銀預金金利がさらに0.25ポイント引き下げられ3.25％になると予想した。

インフレ率は９月、2021年以降で初めて２％を下回ったが、四半期に１回と見込まれていた利下げペースの加速を当局に迫るのはむしろ、ユーロ圏経済の見通し悪化だ。

米連邦準備制度の利下げや米国の選挙結果、中東での紛争など、リスク要因は数多い。

ＢＮＰパリバの欧州担当チーフエコノミスト、ポール・ホリングスワース氏は「ＥＣＢの焦点は、高過ぎるインフレ率から弱過ぎる成長へと移った」とし、「リスク管理の観点から見ると、たとえ依然として不確実性が高くある程度の慎重さが求められるとしても、緩和ペースを加速させるのは理にかなっている」と話した。

今回の政策委員会はスロベニアのブルドで開催。ＥＣＢは現地時間午後２時15分に決定を発表し、30分後にラガルド総裁が記者会見する。

金利

ＥＣＢ当局者らは９月には、今回のサイクルにおけ３回目の利下げは恐らく、今年最後の会合である12月になると示唆していた。

しかし、Ｓ＆Ｐグローバルによる購買担当者指数（ＰＭＩ）など最近のデータが民間部門の活動縮小を示唆。ドイツでは２年連続のマイナス成長の予測も出ている。このため投資家やエコノミストは今月の利下げを予想するようになった。

ソシエテ・ジェネラルのグループチーフエコノミストのミカラ・マーカッセン氏は「ＰＭＩデータが10月の利下げを支持する方向に傾いたことは確かだ」と述べた。

多くの当局者が、直接的または間接的にそのような期待を裏付ける発言をしている。ラガルド総裁は、インフレ率が目標値に適時に戻るという自信が強まっていることを今月の判断材料として考慮するだろうと述べた。ビルロワドガロー・フランス中銀総裁は10月の利下げについて「可能性は極めて高い」と発言した。