最新の婚活事情、じつは30代で「年収620万円」の男性よりも、「年収370万円」と「年収250万円」のカップルのほうが余裕なワケ
イケてない自分からの大逆転
メタバース婚活パーティーでは、パーティーに参加する分身である「アバター」の見た目を自分で決めることが出来る。顔や髪型、服装などかなりのバリエーションがあり、制約があるわけでもないのだが、皆、自分と似たアバターとなるのが面白いところだ。 初参加の雄馬さんのアバターは際立って地味だった。真面目そうな顔つきと髪型、服装は飾り気のないベージュのシャツと黒のパンツ。参加者をサポートするデジタル仲人が「もう少し明るい感じのほうが好感をもたれますよ」と、服装や髪型を変えてはどうかと声かけもしたのだが、雄馬さんは頑なにそのスタイルを変えなかった。 後で聞くと「前のめりで参加してフラれたら恥ずかしい」というのがその理由で、パーティー中も地味なイメージそのままに小さな声で言葉少なに話すだけで、女性参加者からの評価は低く、というか、反応自体が殆どなかった。 パーティー中、雄馬さんはノリノリの他の参加者に冷ややかな視線をPC越しに送っていたのだが、マッチング結果を知って愕然としたそうだ。張り切って場を盛り上げていた参加者に希望者が殺到する一方、雄馬さんには誰も票を入れなかった。 裏ではデジタル仲人が走り回り、雄馬さんとのマッチングを画策したのだが、女性参加者からは「話も弾まなかったし、印象に残ってません」「どの人か覚えてないです」と散々な結果だったのだ。 雄馬さんとしては、「クールな自分」に2、3人のマッチングがあると踏んでいたというのだから、その絶望感は大きかったのだろう。そこで初めて雄馬さんの心に火が付いた。間を置かず、次のメタバース婚活パーティーにぜひ参加したい!と要望が来た。 デジタル仲人から積極的に話を聞いて、メタバース婚活の傾向と対策を練り出したり、アバターの見た目にも凝り出した。パーティー中も拍手やダンスのアクションで積極的に場を盛り上げ、この時は女性からの一番人気となった。