最新の婚活事情、じつは30代で「年収620万円」の男性よりも、「年収370万円」と「年収250万円」のカップルのほうが余裕なワケ
時代が変われば、結婚への意識も婚活の方法も変わる。お見合い結婚がそう珍しくなかった団塊世代を経て1980年代に入ると、結婚が「家同士」から「本人同士」へと徐々に解かれ、その結果、恋愛結婚の割合が全体の約8割にまで上昇。 【マンガ】5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ” 当時は学生時代の付き合いや職場、友人を介して知り合った恋人と結婚するケースが多かったが、現在はこれに加えてSNSや婚活アプリなどの新しい出会いのジャンルも増えてきた。 しかし出会いの多様化が開かれる一方で、職場や仲間内といった平場の恋愛は、相手にその気がなければセクハラ、ストーカーと訴えられる可能性も秘めているから厄介だ。 雄馬さん(37歳、仮名)は「正社員になったら」と結婚しようと考えていた男性だ。リーマンショックの波をもろに被り、契約社員として中堅メーカーに入社した。結果次第では正社員登用の条件はあったものの、現実はそううまくいかない。 大学時から6年間交際した彼女には結婚を迫られ、自分が安定していないと家庭を持つことは許されないと拒み続けた結果、あっさりフラれてしまった。その後4年ほど交際した彼女もいたが、いつまでたっても結婚への考えを変えない雄馬さんにしびれを切らして離れていった。
すでに「めんどうくさい」モードだった
厳しい状況の中、雄馬さんは努力を重ね、目の前の運を確実につかみ、入社から12年以上を経て、2年前、35歳の時にようやく正社員になることが出来た。より責任ある立場を任されるようにもなったし、いつ契約を切られるか分からないという不安も薄れた。 しかし、やはり正社員も甘くない。責任が重くなったものの、雄馬さんの年収は370万円、「結婚を考えられないゾーン」なのだ。 しかしライフチェンジマネージャーの吹田朝子氏は「仮に年収370万円と年収250万円の男女が夫婦で共同生活をはじめたとすると、2人の稼ぎに対して、支出は独身時代の2倍にはならず、1.5倍程度に収まる」という。 将来への積立余裕も独身時代より増えて、実際の家計支出を反映すると、世帯年収620万円でも2人合わせて毎月10万円ずつの積立さえも可能なのだそうだ。 片方の稼ぎに頼り切るのではなく、夫婦で助け合って共働き体制でいけるなら、将来子どもを授かっても、育児休業をとり、出産手当金や児童手当なども上手に活用して必要な教育資金も確保できる計算だ。 10年後20年後までを視野に入れて数値化すると、独身世帯と、夫婦世帯とでは大きく変わってくる。独身の場合、一人頑張って稼いでも、食費やレジャー・健康管理などで思うように貯蓄が増えず老後への悩みを抱える方も多い。一方、夫婦共働きで2人で価値観を共有し、食費、住宅費、家事などの分担をしてお金と時間に余裕を生み出せる。 私は仲人の勘を働かせて、自分自身を追い込んでしまっている雄馬さんにこうアドバイスした。 雄馬さんは、結婚については諦めモードで「めんどくさい」と公言していたのだが、一生ひとりは嫌だな…という焦り不安感を内に抱えていたそうだ。ただ、積極的に婚活をするモチベーションまではなく、メタバース婚活に参加するきっかけはひとつの「偶然」であった。 ある自治体でのメタバース婚活パーティーで直前に男性参加者が1名、家庭の事情でキャンセルとなってしまった。主催&運営側で急いで知人らに参加できる男性参加者がいないか声をかけたところ、雄馬さんの名が挙がったのだ。 雄馬さんはメタバース婚活について全く知らなかったのだが、説明をすると興味を持ってくれた。雄馬さんの心が動いたのは、まず「顔バレ、身バレなし」というところだった。 メタバース婚活の特長として、パーティーやカップル成立後のメタバースデートなどで顔や年齢、職業、収入などは一切明かされない。仮にフラれたとしても恥ずかしくない、と言うのが一番のポイントだったのだ。