子どもの不登校で増える親の退職・休職…NPO代表の訴え「親は自分を責めないで」
親は自分を責めずに普段どおりの生活を
土橋氏は、親から寄せられる悩みは、大きく分けると2つだと話します。 「親御さんの悩みは2種類あって、一つは、子どもが今後どうなるのだろう?という心配。もう一つは、子どもが不登校になったのは自分のせいなんじゃないか、子どもがこんなに苦しんでいるのは親の私が悪いんじゃないかという悩みです。自分を責めてしまっている親がすごく多いなという印象があります」 「学校に行かない理由は、100人いれば100通りあります。ですが、親が自分を責めてしまっているだけでは、解決には向かわない。親自身が、自分が悪いと思わなくても済むようなケアが必要だと感じています」 学校に行かなくなった原因を突き止めるのではなく、親の気持ちを安定させることが、子どもの回復へつながっていくと感じているといいます。 「子どももまた、自分のせいで親が苦しんでいる、迷惑をかけているんじゃないかと思っているのです。親御さんはどっしりと構えて、日常と変わらないように過ごせると良いと思います。そうすると、子ども側の悩みが一つなくなって、安心して過ごせます。親御さんは第三者に頼ったり、あえて子どもと離れる時間をつくったりすることで、心安らかでいて欲しいです」 キーデザインが2021年5月に、LINE相談窓口に登録する138名を対象に実施した独自アンケートでは、「現在ストレスをどの程度感じていますか?」という質問に対して「限界を超えていて助けが欲しい」と回答した親は24.6%、「限界は超えていないが、助けがあると嬉しい」と回答した親は50.7%にも上り、約8割の親が何らかの支援を必要としているという結果が明らかになりました。 また、仕事の状況に関するアンケートでは、「休職・退職した」「休職・退職を検討している」と回答した親は約3割に上り、子どもの不登校が、親の金銭面にも影響するということがわかりました。親は、精神的にも金銭的にも不安を抱える状況に陥ってしまうのです。