女性囚人を殴りいたぶった末に医務室で「5時間放置」…「手あたり次第の逮捕」で刑務所は「無法地帯」へ
自白を強要され続ける日々
――諜報治安省の役人にそんな扱いを受けると思っていましたか? 役人は、私がMI6 (イギリスの諜報機関)に協力したと自白させようとした。私にイギリス留学経験があったからだ。そのときにMI6と接触して手先になったに違いないと言う。 また、ハタミ師(イラン・イスラム共和国第5代大統領サイード・モハマド・ハタミ)とカルービ師(シーア派聖職者、国民信頼党の党首、メフディ・カルービ。2011年より自宅軟禁)と不適切な関係を持ったと告白するよう迫られた。信じがたいことだ。 私は医務室から独房に移された。209棟の責任者が会いに来たので、私は彼に、それまで起きたことを伝えた。すると彼は、尋問官の要求に肯定的な反応をするな、と言う。ひょっとするとこの人物は、他の人と違い、改革派に近い立場なのかと思った。 彼の一言のおかげで、私はその後の尋問と殴打に立ち向かう勇気が持てたのかもしれない。嘘の自白はしないと決めた。カルービ師の選挙アドバイザーとして集会に参加したり、ニュースのウェブサイトでインタビューをしたりしたことは、もちろん犯罪ではないのだから。 翻訳:星薫子 『あまりの恐怖に尋問中に「失神」…イラン人女性が明かす、3人の尋問官による「ヤバすぎる拷問」の実態とは』へ続く
ナルゲス・モハンマディ(イラン・イスラム共和国の人権活動家・ノーベル平和賞受賞者)