競争心の衰えを見せないハミルトン「生涯続けてきたこのスポーツを存分に楽しみたい」一方で将来の計画も示唆
メルセデスのルイス・ハミルトンは、激しい競争心と成功への意欲を持ち続けているが、7度のF1世界チャンピオンに輝いた彼は、よいことには必ず終わりが来ることも知っている。 【写真】2024年F1第12戦イギリスGP 通算104勝目を飾ったルイス・ハミルトン(メルセデス) 2024年のハミルトンの予定は残り10レースとなり、彼はメルセデスとの素晴らしい物語の終わりと、フェラーリとの魅力的な章の始まりへと急速に近づいている。ハミルトンは来年初め、40歳にしてマラネロの門をくぐる予定であることから、F1における彼の長期的な将来について憶測が飛び交っている。 多くの人々が、これがハミルトンの最後の契約になると考えているにもかかわらず、105回のグランプリ優勝を誇る彼は、どれくらいこのスポーツに留まるつもりなのかについては口を閉ざしたままだ。しかし、男性誌『Esquire』との最近のインタビューで、ハミルトンは将来について興味深いヒントをいくつか提供した。 「もう、あとどれくらい続けられるかわからない、と思う日もある」とハミルトンは語った。 「他のスポーツのようにシーズン中にまとまった休みが取れないから、休みたいとか、ちゃんとした休みが欲しいとか思う日もあるよ」 「12月中旬か下旬まで終わらず、1月にはすでにトレーニングを再開する。1日2回のトレーニングをするんだ。その間に、さらに2時間ほどセラピーを受けることになる。つまり、ダウンタイムはそれほど長くないということだ。そして2月から12月まで全力で走り続ける」 こうした困難にもかかわらず、ハミルトンは将来について、柔軟なものではあるが計画があることを示唆した。 「でも、どこまで続けたいかということについての計画は、心のなかにある」 「僕はただ戦略を立てて、物事の順序を決めなければならない。僕は順序づけをとても重視している。協業しているブランドや基本的に僕が立ち上げている会社に目を向け、それらすべての間でどのように時間を管理しながら、この仕事にどう自分自身を捧げることができるかということだ」 ハミルトンは、自分の情熱が薄れる時が来るかもしれないことを認めた。 「全力で取り組まなくなり、もう好きではなくなる時があるのだろうか? 僕の情熱が冷めるということ、その瞬間が決して訪れないことを願っている」 「でもいつ止めるべきかは、わかるようになるだろう」 ハミルトンの競争心は衰えていない。それは、復活したメルセデスを駆り立て、シルバーストンとスパで最近勝利を飾ったことからも明らかだ。これらの勝利は、2024年シーズンの再開時にさらなる成功への希望を与えるとともに、トラック上での彼の不朽の才能を思い出させるものとなる。 「自分ができる間に全力を尽くし、生涯続けてきたこのスポーツを存分に楽しみたい。キャリアを早く終えた人はたくさんいる。あと1年か2年続けられればよかったと僕に話した人もたくさんいる。そして彼らは『できるだけ長くいるんだ!』と言っている」 「でも能力がなければ、やりたくない」 ハミルトンの考えは、特に年齢を重ねるにつれて、最高レベルで競争することの肉体的な要求にも向けられた。 「つまり、どれくらいトレーニングしたいかということだ。22歳なら、運動して健康になるのはとても簡単だ。回復などなく、他に何をすることもなく、他のストレスもないし、出ていってレースをする以外に本当の責任もない」 「今は、どうすれば鋭い感覚を保ち、やるべきことをすべてこなしながら、20代の若者たちと競争できるだろう? という感じだ」 マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、ランド・ノリス(マクラーレン)、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)といった若手ドライバーたちとの熾烈な競争にもかかわらず、ハミルトンは次世代を倒すことが自身の主な動機ではないと主張している。 「特にそういうことではない。僕は生まれつきとても競争心が強いんだ。それが誰であろうと構わない。ただ勝ちたいだけだ」 ハミルトンがフェラーリの象徴的な赤を身につける準備をするなかで、F1における彼の将来は依然として議論の的となっている。フェラーリでの活躍が彼の素晴らしいキャリアの最終章となるのか、それとも偉大さを追い求める彼の継続的な一歩に過ぎないのかはともかく、ひとつはっきりしていることがある。ルイス・ハミルトンは、F1引退後の人生の可能性を思い描きながらも、レースに対する情熱を今も燃え上がらせているのだ。 [オートスポーツweb 2024年08月23日]