自然派商品EC「chitree organic」、4年で会員数が55倍 「自分を愛す」ための商品が好評
自然由来のケア商品や食品などを開発・販売するchitree organic(チーツリーオーガニック)は、「自分を愛す」というコンセプトのECブランドを展開している。2020年11月時点で102人だったサイトの会員数は、4年後の同月に5600人となった。 店主・おちづ氏が東洋医学や西洋医学、漢方療法や整体など、幅広く深い知識を有し、商品の開発や仕入れに生かしていることで、購入者の信頼を得ているという。 <ブランドの始まりは「自身が愛用しているもの」の発信> 店主自身が使いたい、良質なものを集め、ブログで発信していたことがブランドの発端だ。 「食べるものや身体に塗るもの、洗剤などに、自然由来の良質なアイテムを使って暮らしたいと思ったときに、そういうものを売っている場所がなかった。初めはおちづ自身が使うものをブログで発信しているうちに『私も使いたい、買いたい』という問い合わせをいただくようになった。本格的なサイトを構えていたわけではないが、自然発生的に通販が始まった」(坂東寛代表)と話す。 その後、2020年8月から本格的にECでの販売を開始し、2021年ごろからインスタグラムの広告を出稿し始めた。オリジナルアイテムの増加に伴い、2022年からは広告予算をかなり増やしたという。 「売り上げも増え、オリジナル商品の製造発注は当初の約6倍に増えた」(同)と話す。 <本当に必要としている人に届けるためのアプローチ> ブランドの発端となった店主のブログでは「普段自分たちが何を食べて、何を肌に付けているか、きちんと把握している?」という、根本的な問いかけを発信してきたという。 店主自身が過去に身体を壊したことがきっかけとなり、多角的に人の身体について学んだことが、ブランドの根幹となっている。 「図書館に籠って膨大な書籍から独学する時間は、楽しくて仕方なかった」(店主・おちづ氏)と語る。 自身が快適に暮らすことがブランドの原点であるため、押し売りはしたくないという。 神川県藤沢市・鵠沼に構える店舗のメインテーブルには、主力商品である「藍の石鹸」と、来店者が店主を呼ぶためのベルが置かれている。常に店頭に立つわけではなく、必要に応じて接客している。 「うちの商品を本当に必要としている人に使ってほしい。おせっかいな接客はしない。そういった意味で、ECはうちに合っているのかも」(同)と、ブランドの在り方を語った。 今後は新規顧客への認知を拡大しつつ、既存顧客と関係を深める取り組みも強化していく考えだ。中長期的には、海外進出も視野に入れているという。 「『もっと早くブランドを知りたかった』『生活が快適になった』という声を聞くことが増えた。あくまで選択肢の一つとして、知ってもらうことの重要性を感じている。『あってよかった』と言っていただけるようなブランドを目指していきたい」(坂東代表)と、今後への思いを語った。
日本ネット経済新聞